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(金山城 前編から続く)


金山城の中枢部である「実城」部分の入口にあたる大手虎口





出入口としての役割と共に、外敵が侵攻してきた時の防御拠点でもあります。
 

 

 


 

 

 




虎口から一直線に伸びる石畳の道。


そして、それを左右から挟み込み、見下ろすように一段高くなっている曲輪。

 

 

 


 

 

 




狭い通路を攻め込んできて、逃げ場のない外敵を、左右の曲輪で待ち構えていた兵士が弓矢や石で狙い撃つ構造になっています。


その攻撃を突破出来たとしても、一本道の突き当たりは、

 

 

 

 

 

 




こんな高石垣が前に立ちはだかります。
ここにも兵士を伏せられておけば、まさに相手は「袋のネズミ」。
もはや進む事も退く事も出来なくなった外敵を、前方&左右から攻撃する事が出来ます。

 

 



これだけ立派な石垣や曲輪を見ると、あまりにも整い過ぎている気がして、「観光用の作り物っぽいなぁ~」なんて思ってしまいます。


しかし、ちゃんと発掘調査の結果に従って、忠実に復元しているそうなので、こんな山奥に、こんな石垣に固められた城があったのは間違いないようです。


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この大手虎口の特徴として、防御能力の高さと共に挙げられるのが、排水能力の高さ。


石垣が崩れやすくなる原因の一つは、水による侵食。


この大手虎口は、雨水などが溜まりやすい谷にあった為、石垣を維持していく為には、効果的な排水の仕組みが必須でした。

 

 

 



雨水が溜まらず、どんどん下へと流れ落ちていくように、段々になっている曲輪。

 



そして、左右の曲輪から流れ落ちた水は、一番低い場所にある通路に集まり、

 

 

 

 

 

 

 



通路の両脇に作られた排水路を通って、城の外部へと排水されていきます。


こうした排水路は、金山城の他の場所でも多く見られ、技術の高さを感じさせます。


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大手虎口を抜けた先にあったのが、

 

 

 

 



「日の池」
周囲を石垣・石敷で固められた、かなり大きな池です。
山城に、これだけの大きさの池が設けられているのは珍しいそうです。


ネット上やガイドブックなどで金山城が紹介される時には、大手虎口と並び、よく写真を使われる有名ポイントですね。

 

 


この池も、近代になってから作られたんじゃないだろうか、と思ってしまうほどに整った円形をしていますが、ちゃんと発掘調査の結果を反映したものらしいので、遠い昔の中世に作られた姿のままです。


不必要な水を排水する設備が整っている一方で、こうやって生活に必要な水は確保する仕組みも出来ているのが、過去の人々の知恵を感じさせます。


また、この城が築城される前の平安時代から、この場所は水を信仰する神聖な場所だったようで、築城後は戦勝祈願や雨乞いの儀式を行う場所でもあったようです。


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金山城を訪れた観光客の多くは、この「大手虎口」と「日の池」を観て、ここから引き返してしまうようです。


まだ時間に余裕があった私は、もう少し登ったところにある「本丸」を目指しました。

 




石段を登っていく途中にあった広場に、一本の大きな木が。

 

 

 

 


樹齢600~800年とも伝わる大ケヤキは、金山のシンボル的存在。


このケヤキの周辺に、金山城主の屋敷が建っていたそうです。


そこから更に石段を登っていくと・・・

 

 

 

 

 

 


神社の鳥居が見えてきました。


かつて、この地を治めていた新田義貞光を祀った「新田神社」です。

 

 

 


なかなか可愛い狛犬です(笑)。


神社の本殿は写真に撮らない主義なので、境内の様子を。

 

 



現在この神社のある「本丸」は、金山城で最も高い場所にあり、金山城を護る神聖な場所でした。


当初は源氏の守り神である「八幡宮」が祀られており、明治時代に廃城になった後からは新田義貞公を祀る宮が設けられました。


また、この場所は「天守曲輪」とも呼ばれ、天守代わりになる大きな櫓が建っていたそうです。


一番高い所から眺める光景は、遮るものがないので、なかなかの絶景。
 

 



これで金山城の訪問は終わり・・・だったら良かったのですが。


登ってきた山は、降りなければなりません。
こんな高い場所から、山の麓まで。


行きはタクシーで来ましたが、帰り道は徒歩で降りる事になりました。

 

 

 

 

 

 

 



結局、今回も全身汗だくになって、死にそうになりました(笑)。





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