世界中を旅しながら

筆で世界の人々と交流したい

遊筆画旅人 Kei です。http://tabi-iki.com/

 

コロナ下で海外に行けない間は

日々の徒然を書いています。

本日もご覧くださり

ありがとうございます。(*^^*)

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久しぶりに美術館へ行ってきました。

 

梅田スカイビル27Fにある「絹谷幸二 天空美術館」

 

3D絵画を鑑賞できる、という言葉につられて

訪れたのですが、とても楽しめる体験でした!!(^^)!

 

 

3D映画を見たことがないので

それと比較できないのですが、

 

カラフルで、現実とは違う素材の中に入り込む感じが面白い!

(アニメ3Dは統一された滑らかな映像と想像しますが、

手書きの絵は凸凹感があるような感じがいいです)

 

空中に浮かんだ仏像等に

ついつい手を伸ばしてみたくなりました。(*´▽`*)

 

 

画家の絹谷さんは「立体」

ということにこだわりがあるようで

 

絵画以外にもユニークな

「絵を立体化した」像を沢山創作されています。

 

奈良:東大寺そば猿沢池近くで日本文化に囲まれて育ち、

ヨーロッパで学ばれただけあって

和洋どちらのいいところも作品に現れています。

 

3Dだけでなくアトリエの様子をVR化した映像を

ゴーグルを装着して観たのですが

 

こちらは期待したほどでもなかったです。

眼鏡は外さないとダメで、

ぼんやりとしか見えなかったこともありますが

3Dのほうが「迫りくる感」があってよかったかも。(-.-)

 

さて、この絹谷さんの作品は

キャンバス地に描かれているのではありません。

 

壁のようなザラザラした表面の素材に描かれています。

 

会場で初めて知った

「アフレスコ技法」

「フレッシュ(新鮮)」を語源とする

人類最古の壁画技法アフレスコ(伊、英フレスコ)。

生乾きの漆喰壁にジョルナータ(24時間)以内で描き込み、

乾燥に向かう自然のリズムと呼応しながら創造の夢を具現化する超絶技巧

永遠に新しい〜人類最古の壁画技法 アフレスコ | 絹谷幸二 天空美術館 | 美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ (artagenda.jp)

 

よくヨーロッパの教会で見かけるフレスコ画。↓

これまでは何も知らず、

こういう絵は構成や色彩だけみていて

「ふー-ん、綺麗な色、すごい絵だなぁ」

で終わっていました。

 

ですが今日初めてフレスコ画の

  • 石膏での下地作り、
  • 下絵写し、
  • 完成までの乾燥の日数

などの

見えないところでの面倒な工程を知ってびっくり!!

 

その日1日描く部分だけ石膏を塗って、

乾かないうちにさっさと描いていくそうです。

 

これまで旅で見てきた

教会やお城の天井一面に描かれたフレスコ画、

どれだけの日数と労力をかけたのか、

その描く時の体勢を想像しただけで

気が遠くなるし

こちらの首まで痛くなりそう!!

 

昔の人は本当にすごい!

 

そしてフレスコ画を写し取る技法も

紹介されていました。

 

 

壁に描かれた絵にガーゼのような布を膠で貼り付け、

乾燥してその布をはがすと、

 

な、なんと絵も一緒に写って剥がれるのです!

 

剥がれたものに裏打ち??というか

裏側をいろんなものを塗って固めて補強し

最後に表面の布に熱湯をかけて膠を落としたら

絵の色彩が見事に浮かび上がって

素晴らしい作品が現れるという不思議!

 

初めてみました!!

誰がこんなこと考えたのやら・・

 

とにかく壁絵の引っ越しをする時等に

役に立つそうです。

(巨大壁絵のコピー??)

 

絵の鑑賞は画家の作風だけに目が行きがちですが

素材、工程まで知ると

その大変さも含めて感動が増えますね!

(ミュシャの版画の工程にもビックリしたことがあります)

 

これは絵画に限らず

あらゆるアート作品、

日常の細々としたことにまで言える氣がします。

 

見えないところに費やされた時間や労力、

込められた意気込み、

愛情にも

想いを馳せられるようになりたいものです。

 

“On ne voit bien qu'avec le cœur. 

L'essentiel est invisible pour les yeux.” 

心で見なくちゃ,大切なものはよく見えないってことさ。

      by サン・デグジュペリ