現在、関与しているプロジェクトを回しながら考えていること。

 

次回からクライアントから支援依頼があったら、その案件を引き受けるか否かの判断基準は、クライアントのコンピューター・リテラシーを基準にしようかと考えています。

 

具体的なスキルの目安としては、以下のとおり。

 

  1. Slackなどのコミュニケーション・ツールを使いこなせる
  2. WordやPowerpointなどで企画書の作成ができる
  3. SNS(Facebook、Instagram、Twitterなど)を使用中もしくは使用経験がある

 

企業や団体のサポートについては、私は無報酬で行っている(むしろ移動やアクティビティに要する経費を考えるとマイナス)こともあり、私にとってのインセンティブとは金銭的なものよりも、「自分の成長につながるか」「案件がワクワクするか」が大事であって、成果としては「イノベーションが起こって地域が活性化するか」を重視しています。

 

当然のことながら、我が研究会の過少なマンパワーや、私個人の乏しい能力では、ひとつのプロジェクトを完遂させるためには役不足(力不足)であるので、地域に存在する中小(零細)の企業や団体との協業・共創を前提とさせていただいています。

 

ただ、チャレンジングな目標を設定する割には、旧態依然とした手法やアプローチを選択することを選好する企業・団体も多く、それによる非効率なマネジメントに振り回されがちである、という問題が顕在化してきました。

 

私が、上記のコンピューター・リテラシーを重視するのは、これらのスキルによって「新しい販路の開拓」「新しい組織の実現」というイノベーションの一歩を踏み出せるから。

 

「イノベーション」という言葉を創造したのは、20世紀の最大の経済学者の一人であるシュンペーターであることは、このブログで何度も御紹介しているところ。

 

日本ではイノベーションという言葉の「新商品の開発」という側面ばかり強調されてきましたが、実は、シュンペーターは5つの類型を示しています。

 

  • 新しい財貨、あるいは新しい品質の財貨の生産(プロダクト・イノベーション)
  • 新しい生産方法の導入(プロセス・イノベーション)
  • 新しい販路の開拓(マーケット・イノベーション)
  • 原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得(サプライチェーン・イノベーション)
  • 新しい組織の実現(組織イノベーション)
 
要は、コンピューター・リテラシーがあれば、ツールを使いこなすことで「新しい販路の開拓」や「新しい組織の実現」などの可能性を大きく拡げることができるというわけです。
 
ドラッカーは、21世紀は「知識労働者の時代」と言っています。
 
知識(knowledge)を活用するためには、それに適したツールが存在しており、そのためにはコンピューター・リテラシーを高める必要があります。
 
その努力を疎かにするのであれば、それは20世紀型の肉体労働であり、我が研究会が志向する21世紀の地域未来像とは異なるため、支援を行うことは困難であると御理解ください。