天才と凡人との間に違いがあるとすれば、天才はスタート地点に立った時点で、遠くにあるゴールへのプロセスが見えているのだと思います。

 

これに対して、凡人は辛うじてゴールが見えていたとしても、そのプロセスが見えないため、もしかしたら、ゴールにたどり着けないかもしれないと不安に思い、更に、その不安があるがゆえに、見えているゴールも幻影かもしれないと疑ってしまいます。

 

当然のことながら、私は凡人なので、「何となくゴールはあっちかなあ」と確信はないまま、ぼんやりと思い浮かべているだけ。

 

ただ、凡人なんですが、短気な馬鹿なので、「うじうじと悩んでいるくらいであれば、とりあえずゴールに向かってみればいいじゃん」ということで猪突猛進をしてきました。

 

そんな経験の中で、真っ直ぐだと思っていた道のりが、実は、カーブばかりの回り道であったり、時には、落とし穴が用意されていたり、更には、ゴールだと思っていた場所が、単なる折り返し点に過ぎなかったり、など散々な目に遭ってきました。

 

ところが様々な、人間って置かれた環境やそこから生じるストレスに対抗する抵抗力みたいなものが備わっていて、様々な窮地や逆境を乗り越えるため、思った以上の能力やスキルの開発はできるもの。

 

むしろ、環境やストレスからの負荷が強ければ強いほど、私にとっては負けず嫌い根性が発揮されて、新たな能力やスキルの開発につながったなあと感じています(←万人に通用する理論ではなく、単なる個人的経験です)。

 

ブレーンストーミングにおいて、アイディアの発散と収束という2つのプロセスに区分されるように、能力・スキル開発においても、何でも食いついて挑戦してみる時期と、習得したスキルを更に磨き上げて汎用性を高めていく時期とのプロセスに分けて考えるという視点は重要かなと。

 

年齢を重ねれば重ねるほど、任される仕事の難易度や重要度が上がっていく中で、その課題克服に向けた武器(能力・スキル)が10個しかないのと、100個の中から選べるのでは、精神的な余裕が全く違うと思います。

 

回り道は悪いことではなく、若かりし頃には、むしろ、回り道こそ選ぶべきではないかというのが、40歳過ぎのオッサンから見たキャリア論です。