最近、ひとつのプロジェクトを立ち上げから集結まで滞りなく仕上げる「プロジェクトマネジメント」以外に、既に取り組んでいる、あるいは、これから取り組むであろうプロジェクトを統合し、相互に関連性のある集合体に仕立て上げることが、結構得意なのではないかと、思えることがあります。

 

PMBOKの知識体系によれば、これはプロジェクトマネジメントよりも職制上上位のレベルで対応すべき(=プログラムマネジメント)とされています。

 

以前、書いたように、PMBOKにおける知識体系が活用される前提は、十分な経営資源(カネ・ヒト・モノ・情報)があって、同一組織内で、無数のプロジェクトが同時進行し、それらをマネジメントするマネジャーが多層的に存在する大企業モデルであるということ。

 

私が、普段からお付き合いしている企業や団体は、もちろん、そんな理想的な経営状態にあるわけではなく、ないものだらけの状況の中で、まずは目の前の課題に取り組んでいる企業や団体がほとんどであったりします。

 

スタートアップはそれで十分だと思います。

 

というよりも、そこまでしかできないのが、現実だと思います。

 

ただ、ある程度、時間が経過し、成功にしろ、失敗にしろ、様々な経験を積み重ねてくると、当然のことながら、前例踏襲で同様の事業を繰り返すだけでなく、「次のステージ」に向けて、アイディアの構築やプロジェクトの進化(深化)を図っていく必要があります。

 

この時に、自身の事業やプロジェクトだけでなく、周囲を冷静に眺めて、相乗効果を発揮できそうな他の事業やプロジェクトと連携・協力できれば、新たなアイディアや経営資源の獲得といったイノベーションに発展できます。

 

そのためには、各プロジェクトの主体(プロジェクト・マネジャー)の意図や思いを、きちんとロジックでほぐしてあげて、それを再度、新たなプロジェクトへと編み上げていく作業が重要です。

 

このような個々バラバラであったプロジェクトを、ひとつの体系だったプロジェクトにしていく手法として、「情報の再編集」という視点が使えるのではないか、という気がしています。

 

既に起こっているプロジェクトをふたつ組み合わせて、「1+1=2」ではなく、「(1+1)☓α=∞」となるよう、αの部分のロジックをどう整理していくか、「地域ビジネスのプログラムマネジメント」に挑戦してみようと思います。