1泊2日で宮崎出張に行ってまいりました。
久しぶりの宮崎では、チキン南蛮や宮崎和牛、地鶏の炭火焼などを腹いっぱい食べたのですが、訪問先の企業で、社長の上の会長と懇談する機会をいただくことができました。
話を聞いていると、小役人の身でありながら、「公共性」という概念を置き去りにして、経済効率性の議論に凝り固まっていた我が身の不明を恥じることしきりでした。
もともと経済学や経営学が専門ということもあり、利益や効率といった話が得意(というよりも好き)なのですが、それだけで追求できるのは短期的利益であり、持続可能性であったり、地域への波及効果であったりといった、中長期的利益は実現しない、ということを再確認しました
経済的に活性化させようということであれば、えてして、マス市場を狙っていこうとして、ユーザー数の拡大を追求しようとします。
しかし、このマス市場に入ってこない、障害者や乳幼児連れの母親等のマイノリティグループをどこまで視野に入れていくのか、という部分が、まさに公共性の問われる部分。
今回、訪問した企業は、その点が徹底されていて、「弱者に優しい施設」と言い切ることができる施設でした。
その取組のキーワードは「対話」。
自分の頭の中だけで考えるのではなく、机に座ったまま仕事をするのでもなく、当事者から話を聞き、従業員が現場で提案し、役員も対外折衝する、という積極的な姿勢が垣間見える企業でした。
規模という点では、鹿児島にある施設の方が大きく、また、利益という点でも、鹿児島のほうが上ですが、地域経済に対する貢献度や地域住民の満足度という観点からは、宮崎の施設の方が上ではないか、という気がしました。
会長自身も、規模や利益という面では、鹿児島に劣るということを自覚しながらも、「公共性」というもののあり方に対する強烈な自負もあり、「民」と「公」という線引について、主体性をもって、柔軟に運用している印象を受けました。
規模の拡大だけが正解ではなく、それ以外の視点も含めて俯瞰できるような、我が身の成長の必要性を痛感させられた一日でした。