行程:ボローニャ
歩行距離:14.26km
今日は今回の主要視察地である世界最大のフードテーマパークFICO EATALY WORLDへ。
2017年11月に、高級イタリア食材スーパーを運営するEATALYが、イタリアの食のブランド価値向上と、それを積極的に情報発信する高感度な消費者を教育(啓発)すべく、ボローニャ郊外に建設したもの。
午前10時のオープンから17時までたっぷり堪能してきました。
まず入ってみると、イタリアの食材が産地ごと、あるいは、カテゴリーごとに陳列されているのですが、ただ単に展示・陳列するのではなく、オシャレ又は格好よく並べてあって、見るだけでも楽しさが湧いてきます。
ただこれだけであれば、どこにでもある観光施設ですが、FICOに特徴的なのは、イタリアの食の川上から川下までをワンストップで紹介・説明していること。
鹿児島における大部分の食をテーマにした観光施設は、個々の企業単位で運営されているため、どうしても当該企業が加工・製造するプロセスが中心となり、原材料の機微が製品にどのような影響を与えたり、消費者に届くまでの保存・保管であったり、という部分までカバーすることは困難です。
FICOの場合は運営しているのが、消費者に最も近い川下のスーパーマーケットであるがゆえに、感度の高い消費者が興味・関心を抱くポイントを理解しており、FICOの施設内には、多数の種類のオリーブや果樹の樹木を植えたり、牛や羊などの家畜を育成したりして、原材料の特徴や特性から理解を深めることができます。
また、感度の高い消費者を養成する観点から、製造工程に関する生産者の説明会はもとより、料理教室なども定期的に開催して、イタリアの食材の価値を理解し、それを積極的に発信してくれるインフルエンサーに仕立て上げています。
声高に「美味しいから食べてください」と声高に叫ばなくとも、影響力のあるインフルエンサーが、口コミでイタリア食材の価値や可能性を伝えていく仕掛けが、ここに用意されています。
個人的にはジェラート大学で、大好きなジェラートの勉強をもっとしてみたいと思いました。
さらに、フードテーマパークだからといって、「食」だけにこだわってないことも特徴です。
「食」から派生する食器や家事関連器具はもちろん、食材や調理方法など食科学に関する書籍が充実した本屋もあります。
また、食とは関係ない、自転車ビアンキの販売店や高級車ランボルギーニの展示であったり、日常的に住民の賑わいを作るためのイベントスペースやスポーツスペースなども。
イタリアは日本の3倍以上の食材輸出国でありながら、更にその付加価値を高めるための施設を設置しました。
農林水産業と観光産業を主要産業とする鹿児島においても、FICOの取組は非常に参考になると思います。