我が社においては、年に2回の業績評価と、年1回の能力評価があります。

 

自由奔放に仕事をしているかのような我が輩ではありますが、宮仕えの身としては、いただく給料分は奉仕をせねばという思いで、業務に邁進しているため、人並み以上の評価をいただいているところではあります。

 

能力評価についても同様に、人並み以上の評価をいただいているところではありますが、これらの評価を眺めていて、15年前に思い描いていた自己を実現できているか、ということにふと思いを馳せました。

 

15年前といえば、私が現在の会社で勤務を始めて3年目で、仕事も慣れ始めたところであり、前例を踏まえて、上司の指示を受けながら、定型業務を繰り返す日々。

 

この経験自体は「仕事の型」を作るという意味においては必要だったし、重要だったとは思うのですが、性格上、「型にはまる」ことが苦手な私は、「こんなんで良いのかなあ」という思っていたところに出会ったのが、「はじめて読むドラッカー」シリーズ。

 

『プロフェッショナルの条件』『チェンジ・リーダーの条件』『イノベーターの条件』というシリーズ3部作(後年、『テクノロジストの条件』が発刊されて4部作となりました)を読んだのが、ドラッカーの著書を読むことになったきっかけ。

 

この中の『プロフェッショナルの条件』で、「知識労働者」という言葉が出てきて、何となく「自分が目指すべきは知識労働者!」と思ったのが、まだ初々しさが残っていた20代前半でした。

 

ドラッカー曰く、知識労働者の最も大事な仕事は、「仕事を定義する」こと

 

仕事を定義するためには、自分がなぜその仕事をしようとしているのかを考え、その仕事を片付けるためにはどんな行動を起こす必要があるかを認識することが必要。

 

定型業務に慣れてしまうと、目の前にある作業が「仕事」となってしまい、その仕事の目的や目標を見失いがちです。

 

だから、仕事を定義することを最も大事な仕事とする、ドラッカーの指摘は全く正しいにしろ、知識労働者を目指す人間にとってはやや抽象度が高い目標像ではあります。

 

そこで、知識労働者のあるべき姿として、具体的な目標像としてお薦めしたいのが、GTD(Getting Things Done)を開発したデビット・アレンの「知識労働者に求められる新しい資質」。

 

  1. 大量の仕事が殺到しても、リラックスしつつコントロールできる能力。

  2. あいまいな方向性や突発的なプロジェクト、はたまたさまざまなプレッシャーの中においても、実現可能な行動計画を立てられる能力。

  3. 緊急事態になったときではなくて、片付けるべき仕事が発生した時に手際よくとるべき行動を決定できる能力。

  4. 新たな情報が与えられた時や、想定外の事態が起きたときに、すばやくするべきことを再構成し、優先順位をつけなおし、バランスをとりもどす能力。

  5. 周囲と協力体制を築きつつ、自分の仕事をきちんと成し遂げる能力(和して動ぜず、だ。)

  6. 他の人や自分との取り決めを、状況の変化に応じて柔軟に調整する能力。

  7. どんなアイディアも(だめなアイディアも)、同僚や部下の前で発表することができ、客観的に評価できる能力。

  8. 大きな障害に直面したとき、望ましい結果と次にとるべき行動にすばやく集中できる能力。

  9. 定期的に人生においてやるべきことをきちんとレビューすることによって、いつでも目の前の仕事に集中できる能力。

 

この基準に基づけば、私の自己評価は、まだまだ不十分。

 

これらの能力を50歳になるまでに身に付けられるよう、これからの日々を精進したいと思います。