日本語翻訳版『ブルー・オーシャン戦略』が発売されたのは2005年。

 

その10年後の2015年に、Diamond Harvard Business Review(10月号)で「ブルー・オーシャン戦略のすべて」が特集されました。

 

そして、今年4月に、ブルー・オーシャン戦略のアップデートを行った最新刊『ブルー・オーシャン・シフト』が刊行されています。

 

10年以上にわたり探求されている戦略論であり、私も気長にフォローし続けている理論です。

 

ブルー・オーシャン戦略の長所は、著者が、大学教授ということだけでなく、実際の企業コンサルティングも行っているため、理論解説だけでなく、分析ツールやフレームワークを示すとともに、さらに、その使いこなし方や考え方を丁寧に説明することで、実際にブルー・オーシャン戦略を描く(=戦略キャンバス)を書けるよう導いていること。

 

そのわかりやすさから、私も、いくつか自分の仕事に関係する案件の戦略キャンバスを策定しました。

 

その戦略が優れたものであるか否かの判断基準である、①メリハリ、②高い独自性、③訴求力のあるキャッチフレーズという3要件を満たしてないため、まだまだやり直しの余地が大きいので、皆様に披露することはできませんが(笑)

 

ブルー・オーシャン戦略も、一見、斬新な戦略理論であるかのようなんですが、個人的には、昔から存在している「差別化戦略」の一類型に過ぎないと考えております。

 

既存市場における"One of them"の相対的差別化ではなく、新たな市場開拓による"Only One"の絶対的差別化という、差別化の度合いの相違というところでしょうか。

 

とはいえ、すぐに横並び発想をしたがる行政やNPO関係者は一読する価値があるかと。

 

近隣自治体がやっていなくても、先行する自治体がなくても、住民や外部からの交流人口にとっての価値(Value)を考えて、「取り除く」「減らす」「増やす」「付け加える」要素を見極めることで、限られた資源の有効活用(投入)を考えていくことは、行政マンやNPO関係者にとっては重要なことと考えます。

 

何でもかんでもやろうとして中途半端になるよりも、取捨選択を明確にした地域の方が、尖った地域になり、多くの交流人口を生み出すような気がします。

 

※8月から実施予定のプロジェクトでは、戦略キャンバスを活用した地域戦略の策定も、議論の大きなテーマになります。