本日の日本経済新聞で掲載された「ヤマエ久野、海外初出店」という、こちらの記事。
イタリアの小売り最大手COOP(コープ)に、日本食売り場が設置されることになったのですが、その運営を行う現地法人「オリジナル・ジャパン」の社長は、ビジネス経験に乏しい私に、色々な示唆や助言を与えてくれる人物で、私にとってのメンター的存在。
中小企業の社長でありながら、年商数千億円の大企業とも、対等のプロジェクトを進めることができる企画力・行動力・交渉力ともに優れた御仁です。
そんな御仁なのですが、初対面(2010年夏の上海)から、なぜか私は評価されています。
実は、今回のプロジェクトも全貌は聞かされていなかったのですが、「イタリア好きにはやり甲斐がある」「これまでの経験やキャリアを活かせる」という理由で、プロジェクトのパートナーとして声が掛かっていました。
現在の仕事や家族の状況をお伝えして、プロジェクトの参加はお断りしたのですが、プロジェクトが新聞で報道されたこともあり、同社長から、再び、「一緒に仕事をしないか?」というお誘いのメッセージをいただきました。
金銭面や仕事内容等の勤務条件については文句がない(というよりも、現職よりも遙かに魅力的である)のですが、最大の懸念点は「自分にそのような価値があるのか?」「自分はどのように貢献すれば良いのか?」「提供できるリソースは何か?」という部分に、全くの自信や確信がないこと。
なぜなら、私よりも、遙かに優れている人物で、私なんかが一緒に居たとしても学ぶことしかないと思っているので。
わからないことを悩んでいても仕方がないので、単刀直入に本人に聞いてみました。
「私と一緒に仕事をしたいという理由は何ですか?」
「なぜ私と一緒に居たいの?」とプロポーズの意図を聞き返すかのようなやり取りですが、聞いている本人はいたって真面目。
当の本人からは「一緒に仕事をしたい、というよりも一緒に仕事をしたら、互いに更に上を目指せるのかな、と思わせるところですかね」と、これまたいたって真面目な回答が。
わからぬ。まるで詐欺師のようではないか。。。
社長からは、更なる勧誘(?)の言葉として「人生は一生に一度きり。世界に出ると頭の良い悪いよりも少しでも多くの経験をした方の勝ち。そんな経験を持っているから信頼できる」というメッセージ。
うーん、頭が悪いと言われているのか、経験豊富であることを褒められているのか。
まあ、頭が良いと思ったこともなく、不器用な積み重ねを大事にしてきた人生だったので、楽しいことも、苦しいことも多くの経験を積ませていただきました。
この経験をどう活かしていくのか。
「世界」というキャンバスに、人脈や情報、経験に資金というリソースを巧みに組み合わせて、自由な絵を描くという生き方もあるし、労働力に技術や知識、資金などのリソースが不足する「地域」という制約条件の中で、全体最適を目指して知恵を絞るという生き方もある。
そんな二つの生き方の選択肢が目の前にあるような気がします。