新年明けましておめでとうございます。
昨日の大晦日には早く就寝したため、まさかの年越し直前に目が覚めてしまい、新年を読書で迎えることとなりました。
読書が一段落したので、今年初のブログ更新。
今年1年間の抱負というか、年頭の所感を書いておこうと思います。
今年は明治維新150周年です。
大河ドラマ『西郷どん』が放映されますが、そのことは喜ばしいものの、明治維新を一人の人間に集約させるのではなく、150周年という節目に、現代日本、そして、これからの鹿児島にとって「明治維新とは何か」ということを再考するきっかけとしたいと思います。
世界史的に見て、日本の明治維新とは、江戸時代の鎖国体制から脱却し、欧米列強による国際秩序に適応していくための政治的・外交的プロセスであったと言えます。
しかし、ここで見落としてならないのは、日本は欧米列強との外交・貿易関係だけでなく、周辺のアジア諸国との外交・貿易関係をも持つようになり、明治日本は、アジア地域、特に東アジア諸国との「アジア地域間競争」(Intra-Asian Competition)に巻き込まれることとなりました。
明治日本はアジア間競争に抜きんでることで、東洋における最初の工業国家になるとともに、それまでの間、アジア諸国との関係で言えば、どちらかと言えば純輸入国であったのが、これを機に純輸出国へ転じていったわけであります。
ヨーロッパの辺境の地であったイギリスが産業革命を起こして、ヨーロッパの主役的地位に上り詰めるのと軌跡を同じくするように、東アジアの辺境の地であった日本が、アジアの先進国として成長していった、という同時代性をそこに見ることもできます。
イギリスが機械による生産性向上という資本集約型の産業革命(Indusutrial Revolution)を起こしたのに対して、日本は、江戸時代に、土地の生産性向上による労働集約型の勤勉革命(Industrious Revolution)を起こし、生産性向上によってもたらされた商品の高度な流通機構=商品経済の発達が、日本の資本主義を準備したという見方もあります。
このように、我々が、現在、遭遇している課題であるアジア地域間競争や生産革命などは、既に過去の歴史において経験済みであり、我々の祖先はその課題を克服してきたわけです。
我々が明治維新150周年という節目に学ぶべきは、かかる先人の叡智や姿勢であり、これからの日本、ひいては鹿児島の未来のためのビジョンではないでしょうか。
今、私の目の前にも多くの課題が山積しています。
それを「今」だけの視点をもって対応するのではなく、今後20年、あるいは100年という視野も持ちながら、大きな気宇をもって臨んでいく。
難しいこととはわかっていますが、そのような大局的視点を持って事に臨む一年にしたいと思います。