市場成熟化の時代を迎えて、大手資本が参入できないニッチ市場で存在感を発揮することにこそ、スモールビジネスが生き残る道があることを説く内容。
市場成熟化時代の消費者は、「本格志向」「人的コミュニケーション志向」「関係性志向」であり、これに応えていき、地域密着型で専門領域に特化することで、大手資本が参入できない参入障壁を築くことができるというもの。
いわゆるロイヤルティマーケティングによる顧客囲い込み戦略のことだなあと思いながら読み、気が付けば、1時間もかからないうちに読み終えました。
中小企業診断士2次試験の試験委員による著書ということで、同試験受験生からは評価の高い書物ではありますが、『コトラーのマーケティング3.0:ソーシャルメディア時代の新法則』(最近『マーケティング4.0』が出版されたようなので近々読んでみます)を読むと、コトラーの方が、よりソーシャルメディアの波に的確に対応していると思われます。
まあ、この書物が書かれたのが10年以上前であることを考慮すると、当時としては画期的であったのかもしれませんが、近年のICTの進歩・発達を踏まえると、やはり古ぼけた感は否めません。
マーケティングが技術進歩によって大きく影響を受けることは否定できず、そのトレンドをとらえていく重要性は、コトラーが数年単位で新著を発刊していることからも伺えると思います。
本書を読んで、私にとってプラスであったのは、私が目指す事業の方向性が、スモールビジネス・マーケティングが志向すべき方向性とほぼ一致していることを確認できたことです。