先週の金曜日夜に実施された「鹿児島銀行建物イブニング・イルミネーション・ツアー」に参加しました。
いわゆる裏通りに正面玄関が位置する建物で、私も所用で数回訪れたことはありますが、当時はあまり意識することはありませんでした。
しかし、その取り壊しが決定後、その歴史や建築様式に改めて光が当てられると、その価値の大きさを知ると同時に、その美しさを実感し、無知であった自分を恥じる次第です。
この日の夜も、これまで足を踏み入れたことのない夜間帯に訪れてみましたが、山形屋のライトアップとも相まって、美しい幻想的な雰囲気が演出されていました。
このツアーの参加者からは保存を求める声が多く挙がるとともに、何らかの方法で行政が動けないのかという意見もありました。
問題は、今回のような伝統的建築物を保存するだけでなく、街づくりに活かすための部署が行政組織にないこと。
具体的には、文化財保護については教育委員会、都市計画については土木関連部署、観光誘客という観点からは観光関連部署と縦割りになっており、それらを包括した「文化都市」を目指す街づくりの総合調整を担う機能がないと言っても過言ではありません。
では、そんな部署を設置できれば問題解決できるかといえば、それほど
単純な話ではなく、優れた景観や居心地の良い都市デザインに対する感性を持った人材をどれだけ起用できるかが重要です。
近代的高層建築物しか知らず、リトル・トーキョーの発想で押し進めてきた街づくりから、如何に脱却するかが問われていると思います。