南沙諸島地域(スプラトリー諸島)をめぐる中国とフィリピンの対立が、いつの間にか、フィリピンと米国の場外乱闘の様相を呈しています。

 

http://www.afpbb.com/articles/-/3103688

 

もともと新任のドゥテルテ大統領は就任前から、南シナ海における中国との対立は、対話を通じて交渉を進めると明言して米国と一線を画する姿勢を示していましたが、麻薬撲滅対策における人道的処遇をめぐって欧米からの批判が高まると、対立姿勢を先鋭化させました。

 

これに乗じて、中国やロシアがドゥテルテ大統領を取り込むべく、武器援助などの支援策を提示し、フィリピンの米国離反が顕著になりつつあります。

 

そうすると、困るのは日本。

 

国際仲裁裁判所において、南シナ海における領土紛争がフィリピンに有利な裁定が下ったことをきっかけに、領土問題をめぐる対中包囲網の連携を強めていたフィリピンとの距離感が難しくなること。

 

12月にはロシアとの北方領土の交渉が本格化する中で、領土をめぐる国際的な駆け引きが多層的に展開されそうです。