鹿児島銀行の本店の移転に伴う現行店舗の解体について、ソーシャル・メディア上で話題になっています。

 

http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=78467

 

風格を漂わせた歴史ある建築物が有効活用されることなく、無機質なコンクリート造りの近代建築へと変わっていく。

 

観光都市を謳い、あるいは、目指すと言いながらも、世界中の観光客を魅了する景観づくりには無頓着な企業や市民。

 

イタリア屈指の観光都市フィレンツェは、その景観の美しさでリピーターを獲得していますが、そのためには、市民の末端にまでいきわたった美意識やデザイン感覚こそが重要と考えます。

 

 

経済面からは、旧建築物の解体と新築建造が効率的かつ経済的なのかもしれませんが、既存の建物をデザインしなおす「リノベーション」や、建物の用途を変える「コンバージョン」など、建物の歴史や人の交流をテーマにした文化を通じて、経済的価値を高める手法の方が、多少の時間がかかっても、長期的には、その地域全体の魅力を増して、より多くの観光客やテナントなどを呼び込めるのではないでしょうか。

 

ヴェネツィアにある、現存するカッフェとして最古の「カフェ・フローリアン」も、カフェ・ラテ1杯が10ユーロ(≒1200円)近くしましたが、観光客の待ち行列ができるほどの盛況ぶり。

 

 

「歴史」「伝統」「文化」を切り口に、子々孫々まで観光マネーで暮らせる街づくり、地域づくりを真剣に考えてみてはいかがでしょうか。