英国のEU離脱について、日本での報道は小さくなりつつありますが、現地では今でも混乱が続いています。
ポピュリズム(池内氏の言説をお借りすれば「デマの時代の民主主義」)の行き着いた先がどうなっているのか、時系列で整理したいと思います。

<6月24日>
・国民投票においてEU離脱が賛成過半数。
・ポンド急落。
・スコットランド独立示唆。
<6月25日>
・ロンドンの独立を求めて数万人が署名。
<6月26日>  
・EU6ヶ国が英国に対して早期離脱交渉の開始を要求。
・国民投票のやり直しを求めるオンライン署名270万人に。
<6月28日>  
・再投票署名376万人に。
EU離脱派が公約を反故。
・独仏伊首脳がEU離脱の正式通知がなければ英国と交渉せずと明言。
・EUの市民権を保持するため英国人によるアイルランド旅券の申請急増。
<6月29日>
英財務省、EU離脱を受けて増税と歳出削減が必要になった旨発言。
<7月 1日>
EU離脱派のリーダーであるボリス・ジョンソン氏が、保守党次期党首選に不出馬。
<7月 3日>
・ロンドン中心部でEU離脱に反対する5万人デモ。
<7月 4日>
EU離脱を訴えた英国独立党(UKIP)のファーラジ党首が党首辞任を発表。

上記の過程で驚くべきは、散々、離脱を煽っていた人々が、次々に前言を翻す、あるいは、表舞台から退場してしまったということ。
離脱派の心地よい甘言に騙されて、うっかり国民投票で離脱賛成に投票してしまったものの、ポンドは急落する、周辺諸国からは冷たい対応をされる、さらには、厳しい増税と歳出削減が待っているという現実に直面して、署名やデモなど英国民も慌て始めたようです。
しかし、一度、行ってしまった選択を変えるのは簡単ではなく、まだまだ混乱は続きそうです。