メディアでは「爆買い」が話題にのぼっていますが,私は,色々な場面で,「持続しても今年いっぱい。いつまでも続かない」と発言してきました。

その理由としては,為替レートの円高予測と中国マクロ経済の低調が原因として挙げられます。
中国経済は政府が発表する統計は全く信頼がおけないので,マクロでは各国の輸出統計,ミクロでは特定品目の輸出入(品目については企業秘密です)実態を注視すると,中国経済の「リアル」にアプローチできます。

「爆買い」で景気回復などと持ち上げる記事も少なくないですが,最近は,中国政府がこの購買力を政治利用することもあるので,警戒が必要です。

2010年の反日デモにおいて,観光送客を政治カードとして使って揺さぶりをかけてきたことを,上海駐在として直接経験した身としては,他人事ではありません。

経済関係が相互依存関係になれば,国際秩序が保たれるというのは,国際関係論の基礎理論として存在していますが,相互依存関係を度外視して,政治問題を優先するのが現在の中国政府のスタンスです。

そういう相手と経済的相互依存関係を深めていくと,「ちゃぶ台返し」で大きな経済損失を被る可能性もあるので,「爆買い」に依存することなく,利用するくらいの姿勢で臨むことが肝要です。

http://toyokeizai.net/articles/-/117364