長年、地域ビジネスや海外ビジネスに関わってきた経験の範囲で物申せば、マーケティングや経営戦略、会計にオペレーション・マネジメント
などの知識は必要条件ではあるが、十分条件ではないといえます。

知識やテクニックよりも大きな意味を持つのは、相手と「共感」(=empathy)を形成できる人間性だと思います。

ヒト・モノ・カネ・情報というプロジェクトに必要な経営資源を自前で全て揃えることはほとんど不可能で、であるならば、それをパートナーから供出してもらう必要がありますが、それを相手が納得して、供出するに当たってはビジョンや価値観、感情の共有が必要です。

多分、それは知識として習得されるものではなく、真摯な人間関係の絶え間ない関係を繰り返す中で、育まれていくものだと思います。

昨夜、人生で大きな事故に遭遇した方と食事をしました。

そんな経験をしたことがない自分が迂闊に踏み込んではいけない領域にまで、慎重に踏み入れる決断をしました。

楽しく会話をしながらも、私の全センサーを機能させて、相手の表情、言葉、雰囲気から情報を解析し、自分のこれまでの経験や知識から、現在の状態を分析し、なおかつ、相手を刺激しないような言葉を慎重に選択する。

非常にタフな時間でしたが、「もう大丈夫」と思えるほどには、相手の方の現状を確認できました。

人生の中には素通りできず、苦しくても、正面から向き合っていかなければいけない人や出来事は存在します。

そんな時に、支えることも、支えられることもできるよう、相手の心に踏み込む資格を持った人間でありたいと思いました。