セッションに参加した時、他の参加者の演奏を聴きますよね。その時、あなたは何を思いますか?

「上手だなあ」
「下手だなあ」

そういう漠然とした感覚で聴いてるだけではもったいなさ過ぎます。

ではどう聴けばいいのか?
「高音をきれいに出せてるなあ」とか「すごいフレーズだな」みたいなことは、フィジカルな訓練が必要なことですので、(特に初心者には)実はあまり参考にならないことです。

ではどこを聴くのか?
もったいぶらずに言えば、それは「変わり目」です。

リズムがラテンからスイングに変わる。
テーマからアドリブに変わる。
ソリストが次のソリストに変わる。

そういう変わり目に、上手な人と、そうではない人とでは、どう違うのか?それを注意深く観察するのです。

そして、ある程度正解をここで言ってしまえば、上手な人は、この変わり目にしっかりと自分の意思を示し、次にどうしたいかの合図を音で発しています。あるいは誰かが出した合図をセンシティブに受け取って適切に音で反応しているのです。

この変わり目における、合図の出し方や、反応の仕方。これこそがセッションでイチバン学ぶべきポイントなのです。

しかし、みなさんが考えていることは、「昨日必死に練習したコンディミのフレーズをとちらずに演奏できますように!」だったりするわけです。そういう心配は、昨日の個人練習が終わった時点で、もうどうにもできません。( ;´Д`)

「練習してるのに、なかなか上達できない」と悩んでそうな人は、実は自分のことばかり考えている人が多いように思います。自分が何を「スル」かにばかり興味があり、難しいスケールとか速いパッセージとか個人技の練習をメインに考えてしまっているように見えるのです。

オルタードな音使いなど無くても、ジャズっぽいかっこよさを表現することは十分可能なのです。そして、それがわかりやすく現れるのが、先ほど述べた「変わり目」なのです。
そしてそこでポイントとなるのは、自分の出す音が、共演者や聴衆をどういう気持ちに「サセル」かという考え方だと思います。

「スル」ばかりを考えている人は、たとえ楽器が上手でも、いろんな意味でまわりが見えておらず、演奏も唯我独尊的で、ジャズの本質から遠ざかっているとさえ言えるかもしれません。

「サセル」に注目してセッションに参加し、自分の練習を見直せば、「テクニック」の本当の意味を知り、ジャズらしい演奏に必ずしも難しい技術は必要ないことを悟ることにつながっていくと思います。

ジャズはまずはセッションに参加してみましょう!それが全てのスタートでもあり、上達のヒントの宝庫でもあるのです。