今時は、プロのライブより、アマチュアのセッションに人が集まりやすい時代だという話を聞いたことがあります。
大都市では、そういうこともあるのでしょう。なので、レギュラーバンドでライブするより、セッションホストをした方が稼げるという現実があるやに聞いたりします。

そうなってくると、おそらくホストぶりの上手下手というのが、ポイントになってくるんだろうなと推測されるわけです。
とにかく褒める。プロが上手くサポートすることで、自分の実力以上の演奏ができた気にさせる。なんていうことが横行しているところもあるかもしれませんね。

いや、そういう場面を実際に見たわけでもないのに、適当なことを言いました。申し訳ありません(笑)。



僕がセッションという行為にまず思うこと。やはり原点は、自分が初心者だった頃の記憶です。
先輩たちの失笑とか罵倒とか嘲笑とか(笑)は、僕の演奏がマズすぎていろいろあったはずですが、そういうマイナスの記憶は不思議ともう残っていません。
それより、超下手くそだった僕に対して「よく一緒に演奏してくれたなあ」とか「よくお店でやらせてくれたなあ」とか「リスナーの方がよく聴いてくれたなあ」という感謝の思いの方が強いのです。

したがって、僕がセッションホストを引き受けたり、主催したりする動機の根底にあるのは「恩返し」なんです。

勇気を出して楽器を人前で演奏する心意気に感じて、その人が今より上手にセッションできるようになるためにどうすればいいのかを真剣に考えてアドバイスするのであって、決してただ貶しているのではないのです。

もちろん、参加者のほとんどは、そのアドバイスを聞くために来てくださっています。ただ、僕の人徳が足りないためか、その真意が伝わってないかもしれないと感じることが、たま〜にあります。肌合いが合わない人って、絶対いますしね。(^^;
でも、そういう人に「独善的だ」と思われたとしても、まあしょうがないですよね。そういう人は、お互いのためにも他のセッションに行くなり、自分でセッションを主催するなりしていただければいいのではないかと思います。



ところで、よくセッションに参加してくれるAさん(笑)とよく話題になるのは、「ふー、今日も楽器を触れて、音を出せて、みんなで大騒ぎしていい汗かいたぜ!」というセッションは、楽しいのか?ということです。

僕は、そういうセッションを楽しいという感性が、はっきり言って理解できません。

自分が思い描いたような音が一瞬でも出せたか。一緒に演奏した人と上手にコミュニケーションできたか。意味がわかった上で、意味のある演奏ができたか。また、向上のためのヒントが得られたか。そして、ジャズという素晴らしい音楽に対するリスペクトが表せたか。
そういう要素があるセッションが楽しいし、それを理想型とどうしても思ってしまうのです。

というわけで、少しでもジャズをジャズらしく演奏できる人が、目の前で増えていくことを報酬だと考えて、気力の続く限りは今後も続けていきたいと思いますので、興味のある方は是非ご参加ください。熱心な人に対しては、心から応援しますよ。