セッションにおいて、イントロなしで、カウントで演奏をスタートすることってとても多いですよね。
でもよく見かけるのは、ここで失敗しちゃったり、とてもぎこちなかったりというシーン。
実は苦手、と思っている人は意外に多いのではないでしょうか。

よくよく考えてみれば、自分が出したいテンポやグルーブを共演者に伝えるというのはとても重要なことであり、 リズムに対する深い理解がなければ良いテンポ出しって実はできないので、とても難しいことなんですね。

というわけなんで、リズムがわからなければできないってことで、これで終わります。
と言ってしまうと身も蓋もないので(笑)、カタチだけでも注意するべきポイントをまとめてみます。

1. ただのかけ声ではない
いわゆる「せーのがサンハイ」的になってしまっていて、 カウント時のテンポと実際始まった時のテンポが違うという場合を意外に多く見かけます。
初心者の人が極度に緊張している時に、よく起こりがちなことではありますが、 実はこれが深い話でして、僕の考えでは日本人のリズム感覚とも結びつく話でもあります。
とにかく当然のことながら、カウントと始まる曲は「連続している」ということを忘れてはならないわけです。
ですからテーマメロディの一部を心の中で歌ってみるなどして、十分に始めたいテンポについてのイメージができあがってから、 カウントを発声するようにしましょう。

2. できるだけ滑舌良く
自信なさげにゴニョゴニョした発音でカウントする人もいますね。
これから始める曲について、頭がいっぱいいっぱいで、という気持ちはわからないでもないですが、 その発音では本人にしかテンポがわからないことになってしまい、出だしでつまづく原因となります。
ですから、楽器や歌の練習だけではなく、テンポをカウントするところもしっかり練習し、 言い慣れて滑舌良く発音できるようにしてから、参加するようにしましょう。

3. アウフタクトがある場合、ない場合
弱起ともいいますが、例えば「枯葉」のように1小節目の前からメロディーがあって始まる曲をアウフタクトの曲と言います。
一方でカウントと言うと、「ワーン、ツー、ワン、ツー、スリー、フォー」と発声するわけですが、 アウフタクトの曲の場合、後半の「ツー、スリー、フォー」は言わない方がいい場合が多いです。
例えば「バグズ・グルーブ」のようにアウフタクトが短い曲は 「ワーン、ツー、ワン、ツー、スリー(フォーを言わない)」と発声した方が入りやすいし、 「枯葉」のようにアウフタクトの長さが3拍くらいある場合は、「ワーン、ツー、ワン(ツー、スリー、フォーを言わない)」 と発声した方が入りやすいでしょう。
「モーニン」のように丸まる1小節アウフタクトという曲であれば、 逆に「ワン、ツー、スリー、フォー」だけ発声した方が入りやすいです。
逆に最後までカウントした方がいい曲は、例えば「サムワン・ワッチ・オーバー・ミー」 のように1小節目に入ってからメロディーが始まる曲ですね。
このように、アウフタクトの有る無しによって、またその長さによって、入りやすいカウントの仕方が変わってきます。
自分のやりたい曲は、どんなカウントの仕方をすると入りやすいのか、しっかり考えておくと現場で慌てずにすみます。