下に書かれた字をご存じでしょうか

梵字で「阿」と読みます



 

「松戸七福神」七ヶ寺公認のオフィシャルサイトより拝借 

真言宗では
戒名の上にこの「阿」という字を書きます

「阿」というのは大日如来を
すなわち天地宇宙の神様を
示す言葉です

以前、説法で聞いたことがあり
非常に印象的な言葉があります

弘法大師空海の御詠歌で



阿字の子が
阿字のふるさと
たちいでて
またたちかえる
阿字のふるさと




大日如来がふるさとの親である私たちは
そこから生まれ

肉体という服を着て
この世に存在し

この世での務めを果し
亡くなると
またそのふるさとへ帰っていく

という意味です

また

大きなお寺の
山門にある仁王像ですが

右は赤の阿形、左は青の吽形
阿は生を、吽は死を
意味すると言われています



前置きが長くなりました


職場での話ですが昨日

クリニックに通院し
その後、転院された患者さんが

亡くなられたというご報告のお便りが
入院先の病院から届きました。

名前をみて
私はハッとしてしまいました

書かれていた患者さんは
私を頼りにして
よく電話をくれた方でした

在宅酸素をし、通院に2時間

そこに通いたい
フェリさんのアドバイスを聞くと安心する
けれどもそこまで行くには
苦しくて辿りつけない

そう言って相談の電話をよく下さいました

地元の病院に入院中も

退院したらクリニックに行きますから
よろしくね、と電話

退院して数回来院されましたが

やはり体力的に通院が難しく
地元へ転院となりました

数か月前に
地元近くの病院に入院したというのは
私も知っていました

その後患者さんから連絡はなし

でもそれは
できなかったんだと
知りました

ご報告の手紙には

入院後、呼吸状態が悪化し
人工呼吸器を装着
治療の甲斐なく亡くなられたと


その日にちは


7月10日




そうです

患者さんは私の生まれた日に
阿字のふるさとへ帰って行ったのでした


呼吸器をつけて
言葉を話せなかった
患者さんが

私に伝えたかった
メッセージ



東京は今、お盆ですね

苦しみから解放された御霊よ
どうぞ安らかに