面白くて夢中で一気に読んでしまいました。小説の世界にどっぷりとはまり込んだ不思議な感覚。
今まで、アンリ・ルソーについて興味もなかった私ですが、一度ルソーの作品と向き合ってみたいと素直に思えました。
子どもの頃から好きだった、印象派の絵画。
モネやマネ、ドガ、ルノアール…名前が出てくるだけでも先日のオルセー美術館展の興奮がよみがえってきました。美しい光の表現にカンヴァスに目が釘付けになりました。
そして、最近海外から画集を買った、私の中で旬なウィリアム・ブーグロー。
ブーグローの女性の裸体は、まさに女神そのもの。とても耽美で美しい。
技巧も素晴らしく、さすがアカデミック派の最高位にいた方です。
アンリ・ルソーは、彼を敬愛しており、サロンに出展をして落選してもめげない。
あまりに違う画風なので、唖然としてしまったが、当時の人に彼の絵が嘲笑を買ったのも頷ける話です。
ブーグローを超える画家になれると、信じたルソー。
…彼の想いは成就したのかもしれないと思うと考え深いです。
違いは何なのでしょうか。
絵に向かう「情熱」…?
作中のピカソは本当にかっこよくて!彼のイメージもすっかり変わりました。
昔、彫刻の森の「ピカソ館」でピカソ作品を見た時は、正直理解不能でした。
「青の時代の作品は素敵だけど…何なのこれ?人?しかも晩年まで彼女とラブラブだし意味分からない!(個人的な見解です…笑)」
帰りのミュージアムショップで、ピカソの10代の作品のポストカードを見つけた時は衝撃をうけました。
「この人めちゃくちゃ上手いのに、なんであんな絵を描いたの?」
思わずポストカードを買って帰ったのを覚えています。
作中から、子どもの頃から疑問だったことに、一つの答えももらったような気がしました。
既存の概念、美意識を根底から覆して!新しい美の価値観を!
命を懸けた情熱が、作品から生き生きと感じられるから、伝わってくるから、今も名画として残っているのだろうなぁと思いました。
100号キャンパスに向い合った時の、あの途方もない感じを、咽かえる油に匂いを思い出しながら。
他人の創造した何かをなぞることもなく。
私も情熱をもって、作品を生み出したい、そんな衝動に駆られる良作でした。
とりあえず、大原美術館に行きたいです。














