07:00am
雉虎猫はねずみ(鼠)を携え、帰宅した。
雉虎猫は前日同様、今日も庭石の後ろで疑似狩りを始めたようだった。
雉虎猫は鼠に軽く触れるばかりで止めを刺そうとはしない。
雉虎猫は鼠の反撃を警戒しているようでもあり、
疑似狩りを楽しもうとしているようでもあった。
雉虎猫の真意は分からない。
さて。
雉虎猫の真意が定かならぬまま、
両者は一種の膠着状態にあった。
鼠は時折、

雉虎猫の隙を見、逃走する。
雉虎猫はまた鼠を追い、物陰に追い込む。
そして軽く触れるばかりで止めを刺そうとしない…
場所を庭石の後ろから家庭菜園の端に移しつつ、
そんな状態が続いていた。
その時。
鼠が支柱に登った。
鼠はモモンガのように体を広げ、地面に跳び下りた。
雉虎猫はただ、見つめていた。
後、
雉虎猫は鼠に手を触れ、顔を寄せた。
雉虎猫は鼠に2度、鼻kissをしたかのようにみえた。
恰も、
その妙技を讃え、鼻kissオベーションをしたかのように。
その後、
雉虎猫は鼠を追い、
狭い家庭菜園の柵を潜り抜け、盆栽の棚の後ろに入り、
溝に跳び込んだ。
雉虎猫は鼠を追って溝を歩いたが、
鼠は排水溝に入ってしまった。

雉虎猫はただ排水溝の前に坐り、為す術もなかった。

お礼申し上げます。