ブログネタ:好きな漢字
参加中
本文はここから
漢字、というものが好きです。
呪術的なところに起源をもつせいなのでしょうか。
簡略化され、
ときに元の意味は違う形に変えられてしまった
現代にあってさえも、
漢字の姿かたちにはどこかしら神秘性が残っているような気がいたします。
今回のお題は「好きな漢字」、
多くの漢字の中から
ある特定の漢字を好きになる、
それにはいくつかの理由があることでしょう。
漢字の形、漢字が表わす意味、漢字の歴史的な変遷など
漢字には人を引き付ける魅力があるような気がします。
たとえば
月、夜、弓、影、氷…などと言った漢字の姿かたちには
なぜかわからない、形容の術もない
奇妙な魅力を感じます。
けれどやはり、
「猫」
この漢字が好きです。
けものへんに苗、とい成り立ちをもつこの漢字、
「猫」の字を眺めておりますと、
左側の部分が、何かに手を掛け、二足で立ち上がり、
興味をひかれたものを覗きこんでいる姿。
右側が眼を大きく見開き
マズルを膨らませ、髭を前に向けた顔。
そんなイメージが浮かんでまいります。
さてそんな、「猫」という字。
簡単に検索しただけで
けものへん=獣であることを表す(意味)
苗=音を表わす
という結果にヒットいたします。
検索を続ければ
「苗」の部分が猫の鳴く声をあらわしている、
という説明に行きあたることもあるでしょう。
けものへん、については
犬は古くから人の生活の傍らにあり
故に
犬という文字から変化したけものへんをもって
獣一般を表すようになった、
そんな説明に行きつくかもしれません。
が。
更に検索を続け、面白い説を見つけました。
(当にご存知の方もたくさんいらっしゃることでしょう。
大袈裟な申し上げようで ごめんなさい (=^. .^=)↓)
猫の左側の部分、
現在は「けものへん」ですが
むかしは「むじなへん」だったとする説です。
「むじなへん」とは。
豹(ひょう) 貉(むじな)
などと言った漢字の左側の部分です。
紀元100年、後漢の許慎の作とされる
最古の部種別漢字辞典「説文解字(せつもんかいじ)」
によりますと
「豸(ち)」とは
「長い背中をもちくねくねと動く獣であり、
獲物を狙って殺そうとしている形」なのだそうです。
「ネコやトラが口をモグモグさせながら背を伸ばして」
獲物の様子を覗いている様子」
とする説もあるそうです。
「むじなへん」は
「猛獣に関すること」であることを示す部分なのだそう。
獣の中でも
鋭い爪をもっていたり攻撃性が高いこと示すそうです。
因みに。
「貉(むじな)」の日本最古の記録は
「日本書紀」に見られる、とのことです。
曰く、
「春二月、陸奥の園に貉(うじな)有りてひとに化(な)りて歌いき」
と。
627年(推古天皇の時代)のことだったといいます。
さて。
ここで猫という字に話を戻します。
現在、猫という字はけものへん+苗で表わされます。
が、
異体字として
「貓」
という字もあるのだそう。
貉と狢、狸と貍
と同じような関係になるのでしょうね。
けれど
貓と表記すると
縄張りを守り、獲物を狩り、子を生み育てる
そんな
猫の姿が浮かんでくるように思えるのです。
この記事は複数のウェブサイトを検索、閲覧して得た
情報をもとに記述しております。
「むじなへん」
については
・wikipedia 豸部(ちぶ) について書かれたページ
・畜産試験場 家畜にまつわる感じの話-猫-
日本書紀の狢については
・埼玉県立自然史博物館 自然史便り 第20号
を参考にさせていただきました。
記してお礼申し上げます。
追記
2012.02.10 寝待月/十七日月
06:15:56am
金色の月。
月齢凡そ17.57。