仕事と読書と、ときどき税理士試験 (その後)

仕事と読書と、ときどき税理士試験 (その後)

ようやく独立開業しました。
今は、保険と年金の勉強をしています。


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開業記⑤

 

「どの税理士にお願いするかは、税理士の偉い先生方が上の方で決めることじゃない。自分たちが決めることだ。」

 

何の疑いもなく、今の事務所で継続して下さい、と言い放っていた自分の不明に、恥ずかしくなりました。

筋の通った対応をしていると思い込んでいましたが、完全にお客様からの視点が抜け落ちていました。

サービス業としては、0点。

「もっていく」「もっていかない」という発想自体が傲慢でした。

 

入社時に言われたからとか、今の事務所と揉めたくないから、といった自分の都合ばかりが先行していたことに、この時になってようやく気付きました。

そこからは、お客様の意向を最優先に考えるよう改めましたが、自分なりのルールを作って線引きし、それでもこちらに依頼したい、と言って下さった場合にのみ、契約させていただくことに決めました。

  1. こちらから勧誘しない。
  2. 報酬は現状より安くしない。
  3. こちらに依頼した場合のデメリットを伝える。
結果的には、半数以上の担当先が顧問契約して下さることになりました。
 
この部分だけみると順調過ぎる流れですが、最後の数ヶ月間は事務所と担当先との板ばさみの状態が続き、小心者の自分にとっては結構こたえました…。
その結果、体調は最悪に。
耳鳴り、動悸、胃痛、足の痺れ、嗅覚異常などなど・・・
精密検査をしても何も異常はなかったので、多分ストレスが原因だったんだと思います。
 
そんな状況ではありましたが、事務所の開業準備は、結構楽しかったです。
好きなように仕事環境を作れるのは、自営業の特権ですね。
文房具好きなので、お気に入りの文房具を揃えられて大満足です。
読んでみたい専門書も買い放題!(…予算の許す範囲内で)
 
独立を決意してから実際に開業するまで、大変なことも多かったですが、後悔はしていません。
全ての業務を一人でやっているので、しんどいことも多々ありますが、オールナイトニッポンを聴きながら申告書を作ったり、昼寝してみたり、平日に旅行に行ったり、時間的には自由気ままにやっています。
 
長くなってしまいましたが、開業記は以上です。
これからも自分らしく、のんびりやっていこうと思います(^-^)ノ~~

開業記④

 

当時、自分の担当していた顧問先の内、自分が開拓した先は、法人2件のみ。
営業力のなさを痛感します。

 

この顧問先とは別に、独立した段階で、親戚や知人の会社数社が、顧問契約して下さることになっていました。

見込みとして、法人3件、個人3件。

更に、前述の引退される税理士さんから何件か引き継がせてもらえるという話もあり、合計10件前後の顧問先をもっての独立となる予定でした。

 

以上が独立を決意して半年ほど経過した段階の状況です。

ここまでは、特に問題ありません。

問題は退職する3ヶ月前あたりから発生しました。

 

いよいよ退職の時が迫り、後任と担当の顧問先へ挨拶まわりを始めました。

3~4ヶ月をかけて引継ぎを行う予定だったので、初回は退職するという旨を伝え、後任を紹介する程度です。

その時は少し驚かれるくらい(それまでは退職することは言わない約束でした)で、特に問題なく終了したのですが、後日、何件かから個人的に話がしたい、と連絡がありました。

 

話の内容は、独立後も引き続き担当して欲しい、というものですが、なぜか社長の奥様から強く要望されることが多かったです。

まるでマダムキラーのようですが、そんな訳はなく、事務担当を社長の奥様がやってみえるケースが多いので、単にお話しする機会が一番多くなり、結果的に馴染みになり易い、という事が要因かと思います。

 

社長に強く発言できるのは、社長の奥様だけ(場合によっては社長よりも強い発言権あり)というケースが多いので、奥様が味方になってくれるかどうかは、かなり大きな要素だったと思います。

たまたま味方だったから良かったものの、逆に敵にまわすと恐ろしい、ということですね・・・。

 

何はともあれ、今までの仕事を評価していただけたように感じられて、非常に嬉しかったです。

しかも、これから開業する身としては、1件でも多く顧問契約が欲しいので、願ってもないお話でした。

ただ、入所時に念押しされた「開拓した顧問先以外はもっていかないこと」という取り決めがありますので、意向に沿うことはできません。

お気持ちだけありがたく頂戴し、そのまま今の事務所で顧問契約を継続していただくよう、お願いしました。

 

そういった対応をしていた時、とある顧問先さんから言われた一言で、大きな間違いに気付かされました。

 

開業記⑥

開業記③

 

ずっと考え続けていたのですが、明確な答えは出ず。

最終的には、『一度きりの人生だから』 という万能ツールを持ち出し、独立することにしました。

大きな決断をしなければならない時って、最後の一押しは案外こんなものかもしれません。

税理士になろうと決めた時(高校生くらいの時)のビジョンは開業税理士でしたので、結果的に初心にかえった形です。

 

不安は勿論ありましたが、家族が食べていければ良いわけですから、何とかなるかな、と。

もし失敗して転職したとしても、経理系の仕事であればどこでもやっていける、という根拠のない自信もありました。

この辺は今振り返ると、勢いだけで進んでるな~と感じるところです。

 

勤務先の事務所の規定では、退職する場合、3ヶ月前までに申し出ること、となっていましたが、余裕をもって半年前には所長へ独立の意志を伝えました。

法人化して支店のような形でやらないか、という提案もいただきましたが、自分の裁量で全てやってみたかったので、お断りしました。

散々話し合った結果、想定よりも更に半年延び、1年後、退職することに。

 

入社当初、「もし独立する場合、自分で開拓した顧問先はもっていって良いが、それ以外の顧問先はもっていかないように」という趣旨の念押しをされていました。

書面ではなく、口頭で、です。

会計事務所に勤めたことがある方なら、まぁそうだろうな、という感想かと思います。

僕もそれが当たり前だと考えていたので、特に異論はありませんでした。

 

これが後に自分にとって大きな悩みの種になるとは、その時は思ってもみませんでした。

 

開業記⑤