マンファ!② | OG:LIFE

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アニメと写真のおはなし

 韓国ではマンガは1970年代ごろからスタートし、90年代から経済的事情もあって、マンガ・アニメーションが活発な日本などの国の製作の下請けを行ったことで基礎が整えられたため、現在では数多くのマンガやアニメーションが作られている。また、韓国ではネット関係の発展が著しく、オンライン専用のマンガ、マンガ家というものも存在している。近年、小学館、講談社などの大手出版社の単行本コミックスに韓国の作家の名前が見られるようになった。フキダシの中のセリフは日本語訳されているものの、日本同様韓国ならではの独特の擬音表現はそのままで出版されている。我が家にあるのは『プリースト』というマンガだが、韓国のマンガや一般のwebサイトの中のいわゆるイラストサイトで絵を公開している10代の若者の修練された秀逸な描写力、繊細かつ丁寧な完成度は脱帽ものである。『プリースト』然り、日本に輸入されているマンガの多くはアクションものもしくは時代劇風のものなどが多い。それは韓国における日本マンガの印象として、「韓国よりも日本のマンガが暴力的だ」という認識があることもあり、おそらくアクションものならば日本でも人気が得られると予想しての選出かもしれない。個性的な絵柄以外には、日本のマンガを読んでいる学生が多いためか、日本人の画風に近いものも少なくない。また、日本の影響なのか否かは知らないが、韓国でも同人活動が年々活発になってきており、同人誌とコスプレ活動は日本のコスプレイヤーを撮るカメラマンたちのなかでも注目している人が多く、最近では日本を代表しての韓国のイベントへのご招待などもあるらしい。その業界では大御所の有名コスプレイヤーのサイトの中には韓国や台湾などのコミケレポートなどが見られる所もある。おそらくパソコン技術の発展が進んでいることから、韓国ではカメラマンのサイトやコスプレイヤーのポータルサイトの画像量と写真の質、ついでに服の完成度が大変高い。古くは職人技の高さが評価されていた日本だが韓国人のもつエネルギーには感心するものがある。

 韓国のマンガ家の作品発表の場は、韓国が持つマンガのイメージ(子どもの文化)が影響して、まだまだその立場は苦しいところである。事実、そういった少し性的要素があるもの(シティハンターなど)にはあまり人気が集まっていない。青年誌、成年誌というものが存在しておらず、マンガ表現に多少規制がかかっているとも考えられるが、日本のように大人の年齢層まで視野にいれることで日本のマンガの中にもあるような粗悪なマンガが氾濫するのではないかという危惧がある(しかし、日本の成人向けの週刊誌には『PLUTO』や『21世紀少年』、『沈夫人の料理人』『あぶさん』『三丁目の夕日』など高い画力と表現力が評価されているマンガの連載も多いことも事実である)。韓国では日本のマンガの手法と同じ手法をとっているようで、コマに書かれた絵画的芸術的要素が高い点から現在マンガ大国として勢力を誇る日本の路線と違うアートコミックといったような分野を開拓できるのではないだろうか。韓国人のニーズが日本の作風に合致するのであれば国内販売はあきらめた方が良いが、海外にアピールする分野として確立できるのではないだろうか。
 韓国文化コンテンツ振興院では優秀なマンガ創作人力の発掘・育成を目的とするマンガ創作支援事業として漫画雑誌、オンラインコンテンツ、単行本化などを支援する事業を行っている。支援対象は連載2年以下、発表作品が2作品以下の韓国国籍の新人作家部門、2年以上、2作品以上を発表した韓国国籍作家の既成作家部門で、連載投稿料と創作支援金500万ウォンが支給される 。
 今後、韓国マンガの海外進出に対してはIT事業と連携したオンラインゲーム分野を利用してのオンライン流通ルートの確定、WEBプロモーションツールを活性化させることが重要となる。日本では既にラグナロクオンラインが既に安定期に入り、それに乗じての日本への作家進出を図り、成果をあげている。また、出版関連海外展示会において良質の作品及び優れた作家の海外の認知度の向上に努めていくべきである。昨年2005年の日韓友好記念イベントにおいてさまざまな文化交流が行われたが、両国間の問題点が解決に向かうための友好関係の基礎を築き始めたにすぎない。しかし、ここ2年ほどの間で韓国についての理解まではいかずとも強い好意を持った上での文化分野での両国の感心は今後の親交に良い効果をもたらしてくれるだろう。