●八王子の生涯学習センターの図書館行ってきました。最近立ち寄る暇がないので、もっぱら朝派なんですよね。朝開館前に常連に紛れて並ぶ自分(笑)朝2限以降の日が月・水・木で、図書館に寄れる日が水・木、一番木曜日が遅いので今日が一番ゆっくり観ていられるんですが、今日また怪しげな本を借りてきました。
- 荷宮 和子『おたく少女の経済学―コミックマーケットに群がる少女達 』
- 1995年に出た本で若干古いのですが、情報としては現在にも通用するものも多いです。大変読みやすいのでご興味を持った方は是非読んでみてください。興味があり本に慣れている人ならば通学時間と休み時間で読破できると思います。
- 興味をもたれるかもしれない方のために目次を紹介しておきます。
- 序章 はじめに
- 私がおたくに注目するわけ
- おたくが成功させたもの
- 従来のおたく論の嘘
- 第1章おたくのイベントって何?
- イベントとはなんなのか
- おたくの言動
- おたくのファッション
- 第2章ジャンルによっておたく気質はどう違うか
- 「やおい」がすたれそう
- 芸能おたく
- Jリーグおたく
- 他にもこんなにある、あたなの知らない世界
- これからの方向性
- 第3章オリジナリティは無条件に「偉い」のか
- 「自作出来ない」ジレンマ
- プロがおたくを忌み嫌う理由
- 模倣を技法として使う漫画
- ストーリーテラーでいることの困難さ
因みに流石は1990年代に出ている本で、高河ゆん先生が同人誌全盛期(89年前後)の代表的作家として上げられています。おお~『LOVELESS』も大ブレーク中でござますですよ高河ゆん先生。私は過去に遡るの大好きな天邪鬼気質のため、作品を遡って過去作品ばかりに手をつけている所存でございます(一応出だしはLOVELESS読んでいたのですが・・なんでだかやっぱり遡りました;)高河ゆん先生を代表に挙げて同人誌云々の話を扱う項は第3章にあたります。第3章では漫画というメディアが過去の芸術文化からの模倣である色が強いという話をしているワケですが、文化がスタートしてからかなり多くの人が生まれてきているわけで、先駆者と呼ばれる人も腐るほど居るんですよね。そういう人を「お手本」にして小さい頃「意識的に」絵を描くという作業を始めることは幼い頃からお絵かきが好きだった人には良く分かると思います。実は人間の成長・発達も「模倣」が深く関係しているんです。本質的に「模倣」して「学習(体得)」していく生物なのです。模倣から応用へと進めるか進めないか、という点が漫画には見えにくいのかもしれません。他の諸芸術でも過去の模倣がなかったわけではありません。ただ、漫画はその性質上、「連想させやすい」性格を持ったものであることが分かります。しかし、模倣、ではなく「オマージュ」である、と竹内オサム氏は言っています(『マンガと児童文学の<あいだ>』第6章―パロディの夜はふけて)。
- 竹内 オサム
- マンガと児童文学の「あいだ」
●今日探したのに見つからなかった本。
- 野村総合研究所オタク市場予測チーム
- オタク市場の研究