
平成の今、読む価値はどれほどあるのだろう。私には通俗歴史小説史的な価値しか見出せない。
おそらく三国志を全く知らない人が読んだらつまらないというか、分からないと思う。
淡白な上にも淡白な戦闘シーン。
ベタベタの現代語でしゃべる登場人物(例:「君の性質は、全然外交官としては零(ゼロ)だ」by周瑜)。
物語が孔明の死亡時点でぶった切られている点も頂けない。
せっかく中国史に興味を持ち始めた読者を、却って遠ざけてしまうのではないか。
どうしてもこの作品を読みたいという方は、先にマンガ版の三国志をお読みになられると良い。
横山光輝版三国志が王道だが、他にも様々なマンガ家が三国志を描いている。
先にイメージを掴んでから読まないと挫折する恐れがあるのを、ちょっとでも頭に留めて頂きたい。