以前、スルガ銀行で融資を受けた物件を借り換えするときの注意点は、キャッシュフローと税負担であるとお話しました。

この話、意外と好評だったようです。

私が不動産を購入するにあたっては、スルガさんや公庫さんを中心に融資を受けていますが、両方を比較すると、金利の差というのを感じずにはいられません。

スルガさんで4.5%の金利で借りた案件と公庫さんで1%台で借りた案件を比べると、返済比率がほぼ同じでも、元本の減り方が全く違うからです。

公庫で借りた案件が2年以上後なのに、元本の減り具合はスルガの3倍以上なのですから…。

これは、どういうことを意味するかというと、売却を視野にいれた場合に、スルガさんの案件は、圧倒的に不利になるということです。

スルガさんで購入して、融資期間を耐用年数以内に抑え、かつ、返済比率を40%未満に持っていくためには、利回り15%程度は必要になってきます。

そういう優良案件であったとしても、元本の減り方はゆるやかで、売却時の手残りが少なくなる傾向にあるわけです。

仮に、耐用年数超過で、融資期間を長くとってやっと収支が回っている案件を売却するとどうなるか。

完全に損切りになってしまうか、手残りがあまりないのに税負担が生じて結局売却損になってしまう可能性が非常に高くなります。

現況の融資を考えると、スルガさん以上に物件を評価してくれる金融機関は皆無といっていいでしょう。

原則として、スルガさんで買った案件をスルガさんの融資で売却できない状況では、優良物件以外を売却するのは難しいのです。

そうなると、借り換えするしかないわけですが、それも難しい。したがって、八方ふさがりの状態に陥ってしまします。

結論としては、スルガさんで不動産を購入する場合、持ち切りを覚悟しておく必要があります。

持ち切りを前提に優良物件を購入するのなら、高い利息が節税効果を発揮する場合もあるでしょう。

ただし、節税効果があったとしても、高い金利は他行からの評価を下げる可能性もあることを認識しておく必要があるので、注意を要します。