小野不由美「営繕かるかや怪異譚」その弐 です。

 

       このところ時代小説を多く読んでいますが、夏もたけなわ、

       少し肌寒くなる怪談話をと思い、読みました。

 

 

       

 

 

      小野不由美さんといえば、「十二国記」を書かれ、「魔性の子」

      から「白銀の墟・玄の月1−4まで、僕も面白くて一気読みをして

      しまいました。

      このシリーズも、おすすめです。

      その後5年ぶりの出版です。

 

      この「営繕かるかや会遺伝」は、六話から構成されています。

         1.    芙蓉忌

         2.   関守

         3.   まつとし聞かば

         4.   魂やどりて

         5.   水の声

         6.   まさくに

      最初に期待した程、背筋が凍るような話ではないありませんが、

      小野作品らしい思いがけない、結末のストーリーになっています。

      夜寝られない事は無いので、ぜひ読んでみてください。

 

 

      あれは、あなたの命を取る。

      あれは危険なものです。

     微かに三味線の音が響けば、それは怪異の始まり。

 

 

 

      かつて、花街だった古い町の実家に戻って来た貴樹。

      書斎として定めた部屋の鏡を何気無くずらしてみると、芸妓の

      ような女が見えた。

      徐々にその女から目が離せなくなり・・・・・・。

                          (芙蓉芙忌)

      佐代は『通りゃんせ』の歌が嫌だ。

      子供のころ、夕暮れの闇が迫る中、怖いのを我慢して神社への

      石畳の道を走っていると、袴を穿いていた鬼に出会いーー。

                          (関守)

      三毛猫の小春は骨氏子で死んでしまった。

      あるとき息子が裏の古い空き家から小春の声がするという。

      得体の知れない「何か」は徐々に迫って来て・・・・。

                          (待つとし聞かば)

      ・・・帯から・・・。