赤平川の奈倉に近い所に「嘉右衛門淵」があります。
この淵の崖の上に霊験あらたかな石のお地蔵様が祀られています。

むかし、この淵には歳を経た河童が住んでいて、川遊びにきた子供達や旅人を引きずり込み、尻から血を吸って亡骸を側に捨てていました。
この河童を奈倉館の嘉右衛門が退治し、亡くなった子供達や旅人の霊を慰めるため「淵の上にお地蔵様」を祀って供養をしました。
このお地蔵様に祈願すると赤子の夜泣き等は、不思議に直ったそうです。
河童は殺される所だったのですが、命だけは助けてもらい、その代わり証文として清水を永久に出す事となりました。 おかげでこの地の人々や旅人の喉を潤し、水田も作る事が出来るようになりました。  
それで此所一帯を「泉田」といわれ現在も地名となっています。

今はお参りする人も少なく、お地蔵様を辿る道も途絶えています。
また、こんこんとわき出していた泉も何処にあるか判りません。


野原を辿る道も無く静かに佇むお地蔵様
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小屋の中にいらっしゃいます
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まえかけをかけています
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河童君も霊力を失い泉も枯れてしまいました
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泉は何処に行ってしまったのでしょう
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この地方には沢山の伝説がありますが、だんだんと忘れられてしまっています。 時々でも追いかけて見たいと思います。