梶尾真治の同名小説を、キャラメルボックスの成井豊が脚本&演出した舞台


主演は福田沙紀

脇を固めるのが永井大、勝野洋、紫吹淳、金子貴俊、真野恵里菜っていったとこ


ネタばれ避けつつ感想をば


原作ものって、一番怖いのは「脚本家が自己満足に走るべくオリジナリティーを出しに行った結果、原作の持つ世界観をぶっ壊してしまう」ことなんだけど、そこは百戦錬磨の成井豊、原作を「いい意味で」壊しつつも世界観はきちんと活かしてるという絶妙なバランス。

なにより、ある意味キーパーソンになっている「りょじんさん」という役柄をあーいうふうに仕立て上げたのはお見事としか言いようがない。

(ネタばれしないんで、「りょじんさん」って人が原作とどんな違いがあるかは実際に明治座で見てくれ)


そのせいか、休憩込み3時間40分の長丁場なんだがまったくだれることなく観ることができた。


以下、出演者について少し触れる


この舞台で不安だったのは、主演の福田沙紀と真野恵里菜の演技力

(他の出演者についてはまったくもって不安視する必要はないのだが…)

真野恵里菜の役柄は原作にはないので参考外なんだが(それでも、BS-TBSでやっていたドラマ「東京少女」や、去年青山円形劇場でやったハロー!キティのコラボミュージカルよりは成長していた)、福田沙紀については桜の園やヤッターマンの実写版でで思い切りズッコケた過去があるのでどうなる事かと思ってたのだが…

(特に、桜の園に至っては予定の半分で上映打ち切りになるくらい散々な客入りで、原作のファンから酷評されまくりだった)


正直、福田沙紀がここまでうまいとは思ってなかった。

どーせオスカーのごり推し+熊本出身で方言指導いらないからだろ、程度でしか考えていなかったわけでw


そりゃー(真野恵里菜も含め)粗を探せばきりはないが、10代~20代前半の女優は「場数こなして、スキルを上げてナンボ」ってところもあるから、それを考慮すれば十分だと思う。


この舞台をきっかけに、二人とも幅を広げるんじゃないかな

(真野恵里菜については全く違う役柄ってのも正直見たい気もするけどね)


明治座価格なんでチケット代は高いけど、元は取れると思うので機会があればぜひ



あ、その場合原作読まないで行った方がもっと楽しめるよ