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南米日本人サッカー監督の挑戦

FIFAクラブW杯2012優勝のSCコリンチャンス・パウリスタにてサッカー指導者をしています。

Jリーグ南米戦略や苦悩、面白ネタなどを綴っていきたいと思います。

今日はメインで参加しているAtletico ParanaenseU15が練習休みだったため、トリエステU17の練習へ。


トリエステは日本でいうとJFL相当のクラブです。


しかし練習場で監督から突然「リョータ、今からとても大切な会議がある。だから君に暫定監督を頼みたい」との事。


その3分後に
監督デビューしました(笑)



予想もしなかった形だったので驚きましたが、個人的には良い機会だなと思い了承。



カンボジアのクラブやラオス代表では英語でしたし、僕はアシスタントだったためなんとなく誤魔化せていたので、ここで一回地獄を見るべきだなと(笑)



楽しくもあり課題も見えましたので、ここで振り返ろうと思います。






途中から監督が来たため、僕の担当は約50分程度。


練習終了後のフィードバックでは、選手や途中見ていた他のコーチ、監督からの評価は悪くはありませんでした。
(僕に気を使ったのかも知れませんが)


しかし課題として
①語学力
②メニュー
に改善点が見つかりました。



①語学力に関しては超超超苦戦しました(笑)
②のメニューにも関係するのですが、メニューの説明とそれに対する質問への応答でも苦戦しました。


妥協と捉えるか要領が良いと捉えるか意見が分かれるかと思いますが、"今日"の練習だけをスムーズに行かせたいのであれば、いつもやっている練習やもっと簡単なメニューでも良かったと思います。
(ちなみにポゼッション練習がテーマ)





良かった点としては、選手の意見を取り入れたため、僕の考えていたアイデア以上のものが出来たという事です。



また、これも良いか悪いか意見が分かれるところだと思いますが、僕に対して協力的な選手がいたため、"思っていたよりは"やり易かったです。


監督が前持って「リョータをリスペクトする様に」と声をかけてくれていたみたいです。
僕と選手達との普段の関係も悪くなく、一緒に笑いあったりもするので、僕の語学力以上のコミュニケーションが取れているとも思います。



ただし、とても広大なブラジル。
良心的なチームばかりではありませんし、
悪ガキが集まるチームに僕が今日いきなり監督としてやってきて信頼関係も無い状態であれば、恐らく練習は崩壊したであろうとも思います。



心から監督、選手達に感謝です。



先日、ブラジル、クリチバNo1クラブを決める大会の決勝がありました。


アトレチコ・パラナエンセU13 vs コリチーバFC U13の試合。


この2チームの一戦は地元では有名な伝統の一戦で、クラシコに例えられたりする様な、いわゆるダービーマッチです。



この試合のために、前日の練習でアトレチコではコリチーバFCのビルドアップ方法に対する守備戦術の練習を行ってのぞみました。


13歳ではありますが簡単な対戦相手研究(スカウティング)を行い、普段から日本よりも戦術練習を多めに行います。


セットプレーの確認等も行いました。



個人的に嬉しかったのは選手の1人から「明日はリョータのために一点取って捧げるよ!」という言葉を貰えた事です^ ^






そして当日の決勝戦、サポーターも駆け付けて両チームの激しい応援合戦(日本みたいに組織的でなく、個人個人が叫ぶ様な応援)の中、試合開始のキックオフ。



試合中もブラジル人から「リョータ!頑張れ」という声援が少しだけ聞こえ、まだまだな指導者の僕ではありますが、ここでの人間関係に自信が持てる嬉しい出来事となりました。



さて試合ですが、序盤からボールを支配し、シュートも多く打っていったのはアトレチコ。


しかしゴール前を堅く守るコリチーバFCの前になかなか点が取れない状況が続くと、カウンターから2失点。


0-2での敗戦、準優勝となりました。




優勝して喜ぶコリチーバFCのメンバー。
チーム旗を持って走り回っています。

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ブラジル人のイメージらしく、喜ぶ時の感情表現なんかは日本人より遥かにはっきりしています。


保護者の方々もそうです。


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U11の決勝もアトレチコvsコリチーバ。


この試合もアトレチコは敗戦・・
僕はスタンドから観戦。
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準優勝のトロフィーとメダルがこちら。
監督と僕です。
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メダル。選手の1人。
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次の大会では僕に出来る事ももっと増やし、優勝に貢献します。


日本からも応援よろしくお願いします^ ^

更新遅れました。


現在、ブラジル1部リーグ二位のAtletico Paranaenseにて指導者として勉強させて貰っています。


僕も学び多い時間にしたいので、ブラジルサッカーについて何か質問等ありましたら、ご連絡下さい^ ^
僕に対してだけでなく、例えばブラジルのプロの指導者に対しての質問でも構いません。
僕が彼らに質問してからブログに載せます。




さて、昨日はAtleticoU13のセレクションに帯同してきました。


日本の皆様に還元出来ればと思い、(載せても良い部分だけに限りますが)ここにAtletico流のセレクション方法を記しておきます。




まず、セレクションでやる種目は3種類。

ボールフィーリング、シュート、ゲームです。



ボールフィーリングの様子
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シュートの様子
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ゲームの様子
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しかし、シュートとボールフィーリングは正直な所、ウォーミングUPや体を冷やさないため程度の理由で行っているだけで、ほぼ全ての合否判定がゲームで行われます。

シュートとボールフィーリングは用紙に採点欄すらないので、記録も残していません。




また、ゲームの採点は1~3点の数字で記入し、3点が最高です。


今回のセレクションには約50人の子供が参加し、3点を貰ったのは確か2人くらいです。
2点が5人くらいで、ほとんどが1点となります。




また、Atleticoでは毎月セレクションを開催しています。


毎月選手が入るチャンスがある反面、この年代から毎月クビになったりレギュラーを追われる可能性がある厳しい環境です。

Jクラブでは年に1~2回が基本なのと比べると、ブラジルの熾烈な争いが少し感じられるのではないでしょうか。



また、ブラジルは移籍の文化が一般的なので、日本とはクビに対する対応も違います。



先日、クビになる選手を選ぶMTに参加しましたが、コーチ陣は一切何のためらいもありません(苦笑)

日本なら少しくらいコーチにも心苦しさがあったり、保護者の方と揉めたりがありそうですが、ブラジルではほとんどなさそうですね。


そこは親が介入するよりは子供が自主的にクラブと話し合っています。
入団や移籍の話し合いなどに親が出ているのを見た事がありません。
ここは日本人の苦手な自主性を育てる大切なヒントかと思います。


こうした厳しい環境で長く振るいにかけられ、残った選手がプロになり、ネイマールの様なスーパースターが生まれています。


AtleticoU20所属の17歳、モスキート選手とナタン選手は共に今年のU17W杯にセレソンの一員として出場し、世界的規模で次のスーパースター候補と期待されています。


Atleticoの寮、ナタン選手の部屋の前です。
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