非常に興味深いのは東京裁判で巣鴨収監されているあいだ、田中隆吉少将と児玉誉士夫の両名がなんらかの理由か錯誤、もしくは無検証の伝聞で笹川良一を陥れる偽証を実行したことがほぼ分かっています。

戦後史にとっては些事のような事件ですが、本人たちにとっては生き死にに関わる大事件だったことでしょう。なぜそのような偽証をして田中隆吉少将と児玉誉士夫の両名がなんらかの根拠らしきものをもっていたとしても事実に反する讒言を占領軍側や検察官に対して実行したのか。これは謎のようなものです。

さらに不思議なことに、そのままこの3名は戦後それぞれ適正にアメリカのデザインした擬制の戦後秩序を背後から工作する動きを激しく行う台風の眼になってゆきました。児玉誉士夫さんの側からすれば一介のテロリストの身分から陸軍嘱託、はては東久邇内閣においては参与という政府首脳の一員として遇されるまでのコースを端緒に与えた笹川良一さんを讒言であやうく戦犯として有罪に追い込みかねない脅威を仕掛けたのでしょうか。

またさらにくわえて不思議なことに、巣鴨からリリースされた両名の動きです。両者の関係はさほど著しく毀損されたふしもなく笹川グループの下部にも場所をえて戦後再軍備派の支援に児玉誉士夫さんが奔走するという構図にみえないでしょうか。

巣鴨拘置所は、著しく怪しい戦後の黒幕たちの錬成機関でもあってまるで”トリックスター” (=someone who leads you to believe something that is not true)たちの登竜門のような場所であったことが分かります。

動画配信先:

サイダーラジオ第8回:
笹川良一の何がどう凄いのか?その1
- Dailymotion動画

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