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使い古しの悲しみは
悪臭すらも感じずに

恐怖の影は 踏まれたまま
心配そうに見上げる始末

焼かれた心の焦げ跡でさえ
めっぽう忘れてしまったようで

四角い真昼の景色にも
安堵の文字を綴ってしまう

なんて情けないのでしょう
こんな時は あなたを探してしまいます

これもまた 北の地に咲く桃源郷
白く消えてしまったの?

”安全なところから危険を引き寄せて”

忘れてしまった

この卑しい作業は 過去を…

違う…!

未来を売って過去を買い占める…恐ろしく…

違う…!

記憶の密売人に縋り付き…
モノクロの住人達をおびやかす行為…

ひとことで断ち切れず
ひとことを探している

乾いた脳みそを引きずって
なぜ期待をしない?
なぜ夢をみない?

右耳はとてもよく聞こえ 視力も増す
喉が潤い心は枯れる

理科室の人体模型を蹴飛ばすと
彼の心の割れる音がした

忘れていた
きっと 失くしたものは忘れたもの
裸の街をみたことがある?
スジャータの横切る手前の香り
びっこ引きのお姉さんは
蜃気楼の中消えてった

裸の街をみたことがある?
ガラス細工に小さな宇宙を閉じ込めて
”母の肩身だ”と小さく言った
少年は 血の出るほど 自分の名前を握り締めた

裸の街をみたことがある?
床を這うような髪の毛を振り乱し
あなたは 逃れようとした
捕えられたあなたはまた独房へ帰ってゆく
振り向きざま
にっと笑った あなたの瞳が
夜になると疼くのです

裸の街をみたことがある?
喉の白い深爪の少女
下腹部から伝わるものを押さえながら
あたしのほうをみて 微笑んだ
馬鹿なあたしは 今になって
ようやく 気づいたんだ
惨めなあたしを 嘲笑っていたことを

まことの息遣い
裸の街をみたことがある?