最近なぜか編みものが大人気で毛糸がどこの手芸店でも品不足とか。なぜなのかサッパリわからないけれど、80代半ばの私にとってはなにやら懐かしく嬉しい感じ。
思い返せば終戦直後に小学校に入学してから、食べ物はもちろん衣類も本当に何もなくて、5人の子供を抱えた戦争未亡人の母はどんなに苦労したことだろう。特に寒い冬の間、暖かく体を包んでくれるセーターは貴重で、数少ない純毛のセーターが古くなると、いったんほどいて弱っていない部分を繋いでいいとこどりをした毛糸を使って手編みを繰り返してくれた。
今のように、趣味などと優雅に言えるものではなく必要にせまられてだった。色が冴えないセーターにはきれいな色で花などの図案を編み込んだり縫い付けたりしてくれた母。
担任の先生がきれいねとほめてくれて とても嬉しかった思い出。そんな時代を経て、自分が結婚し子供を持つようになってからは、セーターだけでなく帽子、手袋などほとんど全て棒針、鍵針で編んだものだ。その頃のニット類はもう今はほとんど残っていないが、もしもあればさぞ懐かしいだろうに。
世界中どこの国でも様々な民族の人々が、絶えることなく編みものを楽しんでいるようだ。編みものはやり始めるといくらでも工夫が広がって夢中になってしまう。ハイテクの現代で昔の手作りのものがはるかかなたに遠のいてしまうと、かえってまだるっこい手仕事が懐かしくて復活してきたのか? もしも身近に誰か編みもののできる人がいたら ちっちゃな襟巻でも教えて、とお願いしてみたらどうかしら?
棒針2本と少しの毛糸があれば世界に一つだけの素敵な襟巻が出来上がります!

