羽生さくるの文章教室個人授業は、現在4回のプログラムで行なっています。

第1回めの課題は「400字の自己紹介文」。

2回めが「800文字エッセイ」です。

 

 

生徒さんは日常的にはブログやSNS、またはメールで文章を書かれることが多いでしょう。

その際に、文字数を意識されることはほとんどないかと思います。

わたし自身、インターネット上の文章の依頼では具体的な数字を指定されることはまずありません。
 

 

このITの時代に、文章教室で文字数を決めて書いてもらうことの意味について、

きょうはお話したいと思います。

 

 

小学校の作文。

あまりいい思い出がない、という方も少なくないかも知れませんね。

それはちょっと横に置いて、教室で配られた原稿用紙を思い出してみてください。

薄手の白い紙にセピア色で複雑な梯子のようなマス目が引かれています。

真ん中には柱みたいなものも。

この柱はなんのためにあるんだろう、とよく考えたものです。

あの一枚が400字ですね。

 

 

頭から書きたいことをつらつら書いていくと、あれ、もう3行しかない。

最初のほうを消して縮めていく。

それでまた書いていくと、また足りなくなる。

その繰り返しであたりが消しゴムだらけになるのが常でした。

二枚書いてもいいことにしてくれたらなあ。

そう思っていましたが、じつは、この消しゴムの過程が文章の練習になっていたのです。

 

決まった枠があると、言葉を選ばざるを得ません。

書きたい内容をこの長さのなかでできるだけたくさん盛り込むためにはどうしたらいいだろう。

繰り返しになっているところはないか。

いいかえて短くできる言葉はあるかな。

 

 

文章力を磨くには、自分への問いかけがもっとも有効です。

文字数を決めて書くと、問いがたくさん出てきます。

じっくり考えて答えを見つけてください。

そのすべてが文章を磨く糧になります。

 

 

400字自己紹介文、800字エッセイ。

それぞれの長さを存分に使って自分らしさを表現していきましょう。