コシノヒロコ + 宇野亞喜良 肖像画が7月26日まで開催




「コラボレーションさせていただいた上に、レディファーストでということでタイトルやコメントも私の名前が先になっています。出しゃばりすぎ、と怒られそう」と笑うコシノヒロコさん。


KHギャラリー銀座第12回展「コシノヒロコ + 宇野亞喜良 肖像画」が7月26日まで、東京・中央区のKHギャラリー銀座で開催されています。ファッションとイラストレーションというそれぞれの分野で日本を代表しながら、さまざまな活動を行っている2人が肖像画をテーマにコラボレーション。約60点を展示しています。


「何をテーマにしようかと考えていた時にヒロコさんの(民族衣装を身につけた人物画の)作品を見て、肖像画がいい、と思い、1人のコレクターのテーストで描いた肖像画でヒロコさんの作品に答えることにしました」という今回。


会場を入って、すぐに目にはいるのはコシノさんの描いた世界各地の民族衣装を身につけた人物画。反対側の壁には安藤忠雄さんやコシノジュンコさんからウディ・アレンまで、コシノさんの知人や著名人の肖像画が並んでいます。


一方、会場の奥は宇野さんのミック・ジャガーやデビッド・ボーイ、コラージュを使ったビートルズなど、世界的ミュージシャンの肖像画。階段を上がると「三人吉三和尚吉三」「三人吉三お嬢吉三」「夏祭団七」など、歌舞伎のポスターの原画を展示しています。


コシノさんと宇野さんは初日の6月26日に同ギャラリーで開催されたオープニング・レセプションに出席。コシノさんは「昔から宇野さんのファンでした。誰を描いても宇野さんの雰囲気がそのまま出ています。それに比べて、私の肖像画はいろいろな人を描くたびに、すべてタッチも絵も違います。自分の筆に描く人の個性が乗り移ってしまうのです。本質的にまじめな人を描くとまじめに、ふざけている人は徹底的にふざけた絵になってしまいます。絵は相手と自分を映す鏡のようなものです」と笑顔。


宇野さんは「僕の絵は眼球の瞳孔の色や血管を描くようなリアリズムではありません。言ってみればデザインのような描き方です。隙を作っています。肖像画は似ていて、しかも絵画的におもしろいかどうかの勝負です。ヒロコさんは僕のことを先輩と言ってくれていますが、そうしたことは関係なく、見る人がこれはかっこいい、似ていると思ったら、それが一番正しいのです」と話しました。


服とともに生活を描いた作品や、墨絵や書のようなタッチで本質を取り出し、描いていない空白の中にも物語を感じさせるコシノヒロコさんの作品はコレクションとも共通しています。また、懐かしいのに新しい宇野さんの作品もコレクションで60年代や70年代がトレンドになり、レトロマーケティングが注目される中で、タイムリー。ファッションが好きな人とアートに興味がある人の両方が楽しめるものになっています。


宇野さんの作品は背景に映り込んだものしか掲載することができませんが、気になる人はチェックしてみては。


会期中無休 10:30から19:00
KH ギャラリー銀座
東京都中央区銀座 4-3-13 和光並木通りビル B1F
東京メトロ銀座駅 B4出口より徒歩1分
www.kh-gallery.com



















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