ユキコハナイ(Yukiko Hanai)2015/2016年秋冬コレクション展示会
東京の老舗ブランドはどんな展開を見せるのか?
今シーズンはランウェイショーを行わなかったユキコハナイ。秋冬のメインコレクションのお披露目となった6月の展示会では「おまじないの森」をテーマに森からインスピレーションを得たコレクションを発表した。
深い森の中をイメージしたような、温かみのあるグリーンを基調とした色使い。全体を流れるリラックスした雰囲気。チュールレースに刺繍を施したり、ニードルパンチでレスレースをつなげたワンピースなども、森や自然、草原の風景、芝生や葉、草の重なりなどを表現したように見える。
また、クラシックなクチュールを思わせるロング丈のコートも森の妖精のムードを取り入れたかのようにポイントである大きな襟によってさまざまな表情を見せる。
形そのものはヨーロッパ的でありながら、ヨーロッパでも日本でも、もちろんアバンギャルドでもない。しかも最新トレンドも必ず入っている。東京コレクションがスタートする前から花井幸子ならではの独特なムードや世界観としか言えないコレクションを発表し続けてきたユキコハナイ。
数年前からコレクションのフィナーレに花井と一緒にスタッフが姿を見せ、軽さや若さを強調した作品も加わるなど、少しずつ次の展開を模索してきた東京の老舗ブランドが、次にいかなるステップを見せるのか。2016年春夏プレコレクションでも70年代トレンドが続き、60歳以上の女性を取り上げたファッションブログや映画が注目される中で、東京コレクションの今後を占うと言う意味も含めて、注目したい。
