コラムオニツカタイガーが蜷川実花の「M/mika ninagawa」とコラボレーション残念ながらメンズはありませんでしたスポーツブランドのコラボレーションやライフスタイル提案におけるサイズと色




蜷川実花さんとのコラボレーションが欲しいと思う男性や外国人も少なくないはずですが。残念ながらメンズサイズはありませんでした。


アシックスは「オニツカタイガー」ブランドで、写真家であり映画監督としても活躍する蜷川実花さんがディレクションするブランド「M/mika ninagawa」とコラボレーションしたレディースシューズ2品番とレディースアパレル1品番、バッグ1品番を、11月8日から、国内のオニツカタイガー直営店で販売しています。今回提案するのは「唇柄をコラージュした柄」を使った限定コレクションで、販売数はシューズ2品番で600足、アパレル100枚、バッグ100個。7日にはオニツカタイガー表参道でローンチパーティが開催されました。


「M/mika ninagawa」は蜷川さんならではの鮮やかな色彩と魅惑的な世界観を活かしたブランド。今回のコラボレーションは蜷川さんの作品の中から3つの唇の形を組み合わせたデザインや彼女の1番のこだわりである「色」を追求したインパクトのあるデザインが特徴になっています。


シューズは人気商品である「MEXICO 66 DELUXE」(税別2万4000円)と蜷川さん自身が選んだ「JAVELIN HINA」(同2万5000円)を採用。アパレルは黒をベースに前身ごろの全面に唇柄を配したトラックトップ(同2万円)を展開しています。また、バッグは横38センチ、縦43センチのトートバッグ(同2万5000円)で片面だけに唇柄を使っています。


映画「ヘルタースケルター」のほかAKB48の「ヘビーローテーション」のミュージックビデオや「さよならクロール」のジャケットとミュージックビデオなども手がけた蜷川実花さん。日本でも「目玉ファッション」が注目を集めましたが、今回提案している、女性を象徴しているような「唇のコラージュ」や鮮やかな色もパワフルでありながらセクシーで想像力をかき立てます。また、スポーツ、アート、女性らしさなどのトレンドやコムデギャルソン(COMME DES GARÇONS)が2015年春夏パリコレクションで打ち出し話題となった赤とも共通するカラーなど、タイムリーでパリコレクションの会場などで着ても注目されそうです。


ただ、気になったのがサイズ展開です。シューズは0・5センチ刻みで「MEXICO 66 DELUXE」が23センチから25センチ、「JAVELIN HINA」が22・5センチから25センチ。アパレルのトラックトップはSとMです。レディース用なので当然なのですが、男性がはけるようなサイズがありません。オニツカタイガーが山本寛斎さんとコラボレーションしたスニーカーは大胆な色と柄を使いながら25センチから28センチ(0.5センチ刻み)と29センチを展開していましたし、最近発表されたオニツカタイガーのNUMBER (N)INE×atmos コラボレーションモデルは23センチから29センチでしたが、自身もスニーカーが好きだという蜷川さんのこだわり?それとも、唇はレディースとしてしか売れないというアシックスの判断でしょうか。鮮やかな色彩を追求しているので、来年の2015年春夏まで続きそうな、ダークなリゾートプリントのように、唇のコラージュをメンズでも売れそうなモノクロやネガポジに変えるわけにはいかなかったのかもしれません。


ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)やコムデギャルソン(COMME DES GARÇONS)が性差を無くしたコレクションを発表し、タブーを打ち破ろうとした80年代、90年代から四半世紀。レディースコレクションでマニッシュなデザインを使ったり、フェミニンなデザインとマニッシュなデザインをミックスしたりするのは今では定番になっています。スカートやセーラー服などの極端な例を出すまでも無くメンズコレクションにレディースのようなデザインが出ても不思議ではありません。まとふ(matohu)のようにレディースブランドであるのに男性顧客が多いというブランドもあります。


ところが、スポーツブランドはもともとユニセックスだったはずなのに、コラボレーションやスポーツライフスタイル提案する時には逆に色やサイズ展開で、レディースとメンズが分かれています。以前子供服を着てしまうファッションがあったように服なら小さなサイズでも無理矢理着ることも不可能ではないにしても、サイズは致命的です。ローンチパーティの会場でもシューズやトップスのサイズをチェックしている男性がいました。


量産しなければいけない通常の商品はリスクがあり難しいかもしれませんが、今回のようなコラボレーションや限定商品の場合は26センチや27センチなどメンズ対応サイズがあってもいいのではないでしょうか。今回の場合、国内の直営店での展開ですが、どの国でもナイキやアディダス、プーマと並んで大きなショッピングセンターなどで展開されるほど世界でも人気が高く、ブランドビジネスとしてのランキングでも上位にランキングされるアシックスとオニツカタイガー。外国人からも人気だけに、大きなサイズが無いのはもったいないと思います。パーティでアシックスジャパンの方にもそういう話をしました。次回のコラボレーションや海外展開するような時にはレディースの場合も男性が履くことができるようなサイズが出てくることを期待しています。


今回に限らず、レディースとメンズで色やデザインを変えているスポーツブランドは少なくありません。しかも、レディースの方が色やデザインがよく、残念に思うのもよくある話。男性の白いソックスや男性限定のスイーツ教室が話題になる中で、スポーツブランドのコラボレーションやスポーツライフスタイル提案もスポーツメーカーの常識にとらわれずに、レディースとメンズの色やサイズ展開、デザインなどを見直す時期に来ているのかもしれません。






































一番下は白黒写真


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