アンリアレイジANREALAGE ２００６年春夏コレクション

アンリアレイジ２００６年春夏コレクション

at the spring/summer 20006
ANREALAGE fashion show

昨年12月、渋谷パルコパート1・３階のパルコミュージアムで初の展覧会「Ａ　ＲＥＡＬ　ＵＮ　ＲＥＡＬ　ＡＧＥ」を開催したアンリアレイジ。２００５年１１月には、神田恵介と東京タワー大展望台で２００６年春夏コレクションを開催している。

マルタン・マルジェラ自身によるマルタン・マルジェラを思わせる濃厚な手作業や三宅一生、川久保玲から続く平面と独創的なパターンによる非構築的ラインなど、そのコレクションはここ数年のアンリアレイジコンセプチュアルなコレクションに比べると、正統的なアバンギャルドで、まだ試行錯誤の中で新しい方向性を探っているといった感じだった。メンズモデルも登場している。当時の人気ＡＶ女優たちにランジェリーを着せながら、夜の東京タワー大展望台から見える東京の風景を重視したような暗い照明と厚塗りのメイクによって、誰なのかをわからなくした神田恵介のコレクションとの対比の方が印象に残っている。

形の骨をテーマにした２０１３年春夏コレクションでは東京タワーをモチーフにしたデザインも発表した森永邦彦。「東日本大地震で骨格が浮き出てしまった」「服を壊すデザインは30年前からあったが、最新の技術で、僕なりのグランジやボロルックに挑戦した」というデザインはどこか昨年夏、「Ｆｕｔｕｒｅ　Ｂｅａｕｔｙ　日本ファッションの未来性」展と同時開催された「館長庵野秀明撮博物館ミニチュアで見る昭和平成の技」の「巨神兵東京に現る」で巨神兵に破壊された東京タワーを着てしまったようでもあり巨神兵のようでもある。２０１１年毎日ファッション大賞の新人賞・資生堂奨励賞を受賞した時には東京で発表する理由について「日本の人たちは、きちんとコレクションを見てくれるから」と言っていた森永だがコンセプチュアルで、ヴィクター＆ロルフなども使うテュイルリー公園特設テントでも見せられそうなコレクションが今後どう進んでいくのかも注目される。

アンリアレイジANREALAGE２００６年春夏コレクション