アライサラ(araisara)２０１２／２０１３年秋冬コレクション
at the fall/winter 2012 araisara fashion show
アライサラ(araisara)２０１２／２０１３年秋冬コレクションのテーマは「阿那曲(ADAKYOKU)」。日本の伝統技術を現代につなげる服作りを行ってきたアライサラだが、東京では最後のコレクションとなる今回は、「国内の反乱で日本に渡ったという伝説を持つという楊貴妃」からインスピレーションを受け、日本の友禅の伝統技法であるとともに中国では水墨画の技法として長く受け継がれている「濡れ描き」や日本では切り絵として独自に発展してきた中国の民間伝統工芸品「剪紙」を取り入れるなど、伝統技術という時間軸だけでなく中国と日本という地域軸を結びつけたデザインを提案している。
３８センチという着物の生地の中で発展してきた日本の手染めの技術をコレクション用の１２０センチの生地で再現し、中国の伝統的な「剪紙」の模様を手捺染の技法で生地に起こしたデザインや
生地を濡らした状態で染料の滲みを操りながら絵を描く「濡れ描き」の技法で東洋の自然の風景や香りを表現したデザイン。
以前のコレクションでも体型やサイズも関係なく、男性も女性も着用ができるパターンで作ったデザインを発表していたアライサラ(araisara)だが、今シーズンのデザインは日本のデザイナーが使ってきた一枚の布的な考え方や、さまざまな着きこなしを楽しめるデザインをさらに発展させたように、１つのデザインがさまざまなデザインに変化する。
これまで追求してきた日本の伝統技術ルーツである中国の技法や楊貴妃などを取り入れたのは
パリでの発表を意識したのだろうか。次の２０１３年春夏から東京以上に作品やデザインを絞り込むことが求められるパリに発表の場を移す荒井沙羅。「パリのアライサラ」がどんなデザインを発表するのかも注目される。
