佐藤繊維新社屋トレデラスカラオープンセレクトショップノートルエスカリエをリニューアルオープ

世界のブランドから評価されている佐藤繊維が新社屋トレデラスカラオープンセレクトショップノートルエスカリエを２７日リニューアルオープン

世界のラグジュアリーブランドやコレクションブランドから高く評価されている、山形の紡績ニット会社・佐藤繊維とサトウエススクエアは、東京・渋谷にショップ、東京オフィス、ショールームを併設した新社屋「トレデラスカラ（TORRE DELLA SCALAビル）」をオープンした。

東京都渋谷区東２の１の１１。新社屋は地上５階、地下１階の６フロア。代官山から移転・８月２７日にリニューアルオープンしたセレクトショップ「ノートルエスカリエ（notre escalier）」は１階と地下１階で、店舗面積は約２００平方メートル。佐藤繊維の４代目であり糸作家である佐藤正樹社長とパートナーであるデザイナー今日子さんが手がける自社ブランド「エムアンドキョウコ（M&KYOKO）」を中心に、職人魂というブランド名を付け、世界各地から上質な原料を探し求め、糸作りから時間をかけて編み出されるテキスタイルを使ったニットを提案する
「ウナアルテザーノアルマ（UNA ARTESANO ALMA）」、国内外の作家のアクセサリーなどが揃う。８月２６日にはオープニング・レセプションパーティーが行われた。

独自の技術を駆使して糸にすることに成功した、極細のモヘア糸で作られたニナリッチのイエローのカーディガンをオバマ大統領夫人がアメリカ大統領就任式で着たことでも知られる同社。

「売れ筋やトレンドをわかった上で、あえてそれとは違うものを作るなど、高級原料を使ったクラシックなデザインやベーシックなものが中心なる欧米のニットとは発想の原点がまったく違う、いままでにはなかったオリジナリティやクリエーターとしての個性が海外のブランドからも評価」（佐藤社長）されており、ニナリッチだけでなく、パリやミラノ、ニューヨークなど世界のコレクションに参加しているラグジュアリーブランドのニットデザイナーや有力ブランドに採用されている。また、今年も６月にノルマンディーホテルで開催した初めてのパリの個展には通常は展示会には来ないと言われる人気ラグジュアリーブランドのニットの総責任者も来場し、７月のイタリアのテキスタイル見本市ピッティ・フィラーティも過去最高の来社となるなど大成功だったという。

昨年代官山で開催した初めてのプレスプレゼンテーション「エムアンドキョウコ～紡ぐ～」では「アメリカ大統領就任式にオバマ大統領夫人が着用したニナリッチのカーディガンで注目されたが、一般の消費者のほとんどは山形から世界に発信している企業やクリエーターがいることを知らない。山形のニットメーカーとしてだけではなく、クリエーターやデザイナーブランドという別の切り口で見せることで、業界内だけでなく一般の人たちにもアピールしていきたい」と語るなど、ものづくりとともに一般消費者へのＰＲにも力を入れている佐藤正樹社長。新社屋「トレデラスカラ（TORRE DELLA SCALAビル）」は世界へ向けたmade in japanの物作りの新しい発信基地であると同時に、佐藤繊維の創作へのこだわりを一般の消費者にアピールことを目的としたもので、「東京から世界に発信するとともに、中国での会社設立なども行っていきたい」（佐藤正樹社長）考えだ。

佐藤社長がディレクションとトータルデザインを手掛けた「トレデラスカラ（TORRE DELLA SCALAビル）」。
「トレデラスカラ（TORRE DELLA SCALAビル）」＝階段の塔と名付けた新社屋の５階まで吹き抜けの階段には各フロアごとに変化する糸のアートをモチーフにしたシャンデリアが飾られており、１階と地下１階セレクトショップ「ノートルエスカリエ（notre escalier）」にはアンティークなどとともに、佐藤正樹社長が集めた秘蔵の糸などを展示するなど佐藤正樹社長のこだわりが表現されている。

また、２階はオフィス。３階は見本を置いた紡績糸のショールーム、４階は自社ブランドのショールーで、
５階はミーティングルームなどとしても活用する多目的ホールとなる予定だという。