マキヒロシゲアトリエゴムgomme真木洋茂さんに聞く

マキヒロシゲアトリエゴムgomme真木洋茂さんに聞く

パリでの展示会は２回で中止アジア強化ゴムの枠を越えた新ブランドも

２０１１／２０１２年秋冬コレクションの展示会のポスターに大きく描かれたPARISの文字とパリのイメージ。会場のディスプレイの服にもパリのモチーフ。彼のことをよく知る人からは「２年は続けるつもり。でも、スタッフにまかせます。僕は、ある程度の規模になってから行きます」と笑った彼が、パリに行ったことも聞いていた。だから、彼の答えは本当に予想外のものだった。

「パリでの展示会は今回の２０１１／２０１２年秋冬でやめることにしました」と語る「ゴム」gommeの真木洋茂。１９９０年代後半のパリコレクション以来、パリでは約１０年ぶりの展示会となった、昨年１０月の２０１１年春夏に続き、今年３月の２０１１／２０１２年秋冬も合同展ランデブーの中の日本ブランドを集めたドレッシングに参加。今シーズンはパリをモチーフにしたデザインを発表した「ゴム」gommeだが、パリでの展示会は今回で終了する。

「３月に約１０年ぶりにパリに行き、見せるのなら、どこにするべきなのか、ランデブーなのかトラノイなのか、アトモスフェールがいいのか、パリでの展示会を続けていいのかを考えました。その結果、パリや欧米の経済状況を考えれば、元気なアジアに力を入れたほうがいいし、長い間ビジネスが続いている香港や台湾をさらに拡大し、現在進んでいる上海や北京など中国とのビジネスをさらに強化するためには、パリではなく、日本国内での展示会でいいということになりました」

日本ではラフォーレ原宿店、渋谷パルコ店、名古屋パルコ店などを中心に、ここ数年売上げを伸ばしている「ゴム」gomme。２０１１年春夏コレクションの国内展示会は前年比１７％増と引き続き好調。また、パリでの展示会も２０１１年春夏も１回目としては予想を大きく上回るパリ、米国、バルセロナ、クエート、ドバイの５国６件からの受注があったが、昨年日本での展示会で話していた「大成功。できすぎです。最低でも２年間は続けます。目標はすぐにクリアできそうですし、円高の流れが変わればかなり伸びるのでは」から一転、パリでの展示会を中止することを決めた。

真木洋茂は「国内はこのくらいの規模でいいと思っています。中国を伸ばせばブランド全体としてはさらに拡大していくでしょう。そんな時にパリでの展示会を続けて、２年後、３年後に利益が出ても意味がない。パリで売れてくれば、またパリコレクションに参加してショーをしろ、ということになるでしょう。でも、もうそんな時代じゃない。利益をもっと有効に使わないと」と強調する。

そんな彼が今考えているのは、ゴムという枠とは違う新ブランドのスタート。

「１０年以上前にも社内の若手がデザインするゲームヘッズゴムというブランドを展開していた時期があるのですが、その時とはまったく時代が違うし、東日本大震災によってさらに世の中が変わっていくでしょう。ゴムgommeには２２年という歴史がありますから、どうしても変えられない部分がたくさんあります。
だから、新しいブランドはカジュアルで、ゴムgommeとは色も価格も、業態もまったく違うものにするつもりです」

マキヒロシゲアトリエ「ゴム」gomme２０１１／２０１２年秋冬コレクション展示会Ｖｏｌ.１
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ギャルデコレクティブGARDE COLLECTIVEは２０１１／２０１２年秋冬コレクション
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