チャリティファッションとデザイン Type B
これまで、チャリティファッションプロジェクトランウェイ フォー ジャパンRUNWAY for JAPANなど、チャリティについて記事を書いてきましたが、
今回はチャリティの中でも、チャリティＴシャツなどについて、個人的に思っていることを Type Bとして書きます。
繰り返しになりますが、前回同様に、客観的な記事ではなく、主観や提案、予想などを中心とした記事を通常版とは違うType Bとして掲載しますので、実際にチャリティに関わっている方の中には反論があるかもしれませんし、それなら自分がやれよ、という方もいるとはおもいますが、ファッションやデザインということに絞って、こんな見方があってもいいんじゃないのという提案や感想を書いていますのでお許しください。
さて、ここからが本題です。
３・１１東日本大震災からまもなく３ヶ月。さまざまなチャリティイベントが開催され、チャリティＴシャツなども提案されています。
しかし、正直に言えば、チャリティＴシャツなどを見ると、あまり欲しいものがありません。
もし、チャリティだからということで、買ったとしても、冷静に考え、デザインを評価すれば、
たぶん着ないだろう、この会場以外でこれをどれだけ着るのかデザイナーに聞いてみたい、と思うものも多いのです。
これはなぜでしょうか。
もちろん、ブラック、ネイビー、ホワイトの３色で展開している「ポロ ラルフ ローレン」のチャリティポロシャツなど、さすがのレベルの商品がないわけではありません。
しかし、主流はやっぱり、うーん、なのです。
ほとんどが、胸に大きなメッセージやプリントを付けたＴシャツ。色は白。そして素材は綿。
もちろん、
これまでは時間的にも、コスト的にも、そうするしかなかったでしょう。それはわかります。
それに、大きなメッセージやプリントの方が、善意やメッセージもストレートに伝わります。
モデルやミュージシャン、アイドルグループ、ロックンローラーがならそれでいいと思います。
でも、プロのファッションデザイナーが作るデザインとしては物足りない。
どこかのブランドがもっとすごいものを作ってほしいと思ってしまうのです。
それに、たとえチャリティでも日常に着られるものもほしいし、ファッション性やトレンド性も必要だと思います。
たとえば、チャリティ用でもスーパークールビズに対応できるポロシャツなどのアイテムがあってもいいし、
Ｔシャツにしても、ポロシャツにしても、白だけでなく、黒や紺、ボーダーも欲しい。
それに、チャリティでも、というより東日本大震災のためのチャリティなら、当然、夏の節電に向けて、吸水速乾、消臭、ＵＶカットなどの機能素材も使うべきでしょう。
チャリティ会場でしか着ることができない派手なＴシャツを使わなくても、たとえばスーパークールビズが注目される中で、仕事の場でも着ることができる機能素材を使った、白や黒、紺などのポロシャツやシャツ風のカットソーの襟や袖口、裾などに小さく「ＰＲＡＹ ＦＯＲ ＪＡＰＡＮ」あるいは「３・１１」と白や赤、黒の刺しゅうやプリントを加えるだけで、メッセージは伝わります。
すぐ目の前にいる人と自分にさえわかればいいのなら、黒地に黒のメッセージもあるかもしれません。
チャリティといえば白のメッセージ付Ｔシャツというのは、時間やコストも背景になっているのでしょうが、
完全な復興には数年かかることがわかっているのですから、
ポロシャツはもちろん、
最近某アーティスト集団の「事件」でも話題のあの岡本太郎氏ではありませんが、パンツの膝やスカートの裾、靴下のくるぶしにチャリティメッセージがあってもいいのではないでしょうか。
あるいは、、いまなら、Ｔシャツよりも、毎日、いつでも持ち歩く「ＰＲＡＹ ＦＯＲ ＪＡＰＡＮ」やメッセージ、あるいは「２０１１・３・１１」とブランドロゴの入ったラグジュアリーブランドやデザイナーブランドのチャリティーのためのiPhoneやスマートフォンの保護ケースや液晶保護シート、のぞき見防止シート、iPadケース、携帯ストラップなどがいいのかもしれません。
復興には長い時間がかかります。チャリティ＝Ｔシャツと考えなければ、長期的なチャリティ商品はほかにもあるはず。
日本ブランドはもちろん、マーク ＢＹ マーク ジェイコブスやマーク ジェイコブス、ルイ・ヴィトン、シャネル、グッチ、ドルチェ＆ガッバーナなどのラグジュアリーや人気ブランドがチャリティ限定商品として作れば、今年だけでなく、３年、５年先を見た長期的な視点でのチャリティにつながりますし、チャリティとして買うのではなく、実際にほしい、毎日使いたい、と思うのですが。
