パリコレの秘密

赤ネクタイ

2006年4月10日別ブログに書いたものを加筆修正しました。


パリコレの会場には赤ネクタイ(たまにレッドタイという人もいますが)と呼ばれる男の子たちがいます。会場の中で席を案内したり、勝手に指定されているのとは違う席に座ったりするのを防ぐのが彼らの仕事です。

会場の入り口にいるのは映画やドラマに出てきそうないかにもセキュリティという感じの黒人や体格のいい男達ですが、会場の中にいる赤ネクタイをした男の子たちは、若く、体格も普通。どう見ても学生のアルバイトって感じに見えます。
入り口のチェックが終わって会場に入ると、すぐにフランス語や英語で話しかけてきて席を教えてくれるのですが、
フランス語ではなんとなくしかわかりませんし、以前にも書きましたが、パリコレクションの座席はABCなどのブロックに分かれていて、ブロックと数字を見ればだれでもわかるようになっていることが多いので余計なお世話って感じもしますが。

そして、
彼らがいなくなるとショーが始まるのですが、東京コレクションにいるプロのプレスや広告代理店と思われるサラリーマン風の案内係などと違い、
彼らはコレクションが好きなんです。それが困った問題なんです。

さっきまで、立ち見の客に「そこに立つな」「通路には座るな」と言っていたはずなのに、自分たちがそこに立ってショーを見ていたり、通路に座ってしまったりということもよくあります。
カメラマン席の近くの一番見やすい場所に赤ネクタイをした案内係が立ってコレクションを見ていて、カメラマンから「お前、邪魔だ」と怒られているなんていうこともしょっちゅうです。

自分の席の斜め前に立たれてすごく見にくくて困ったことも何回もありました。日本人ブロックの前に立っていたので、ショーの前に話しかけて、どいてもらっても、途中で身を乗り出してくるというのもよくあること。体格はたいしたことありませんが、この業界の趣味なのか、スタイルがよく背が高いので、立ち見の客よりも邪魔だったりして、「お前が一番邪魔なんだよ」と言われています。

いてくれてよかったと思うのは誰かが自分の席にいてどいてくれない時ぐらいでしょうか。




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