パリコレの秘密

パリコレ会場スナップの真実




コレクションが終わって会場から外に出ると、たくさんのカメラマンと編集の人たちがいます。日本人が多いんですけど、モデルやセレブの私服を撮影する人たちです。みなさんが雑誌でよく見る、最近ではパリコレそのものよりも人気のある、パリコレ会場スナップのページを担当しているチームです。

彼らはルーブルでは初めのボディチェックのゲートとショー会場入り口の間まで入ってくるために、一応取材の登録をしているみたいですけどコレクションそのものを見たり、撮影したりすることはまずありません。ショーの直前に前のショーから駆け込んでくる人気モデルやショーが終わって、ほとんどのひとが帰った後でやっと出てくるスーパーモデルまで、すべてを追いかけているからです。

本当に時々、後ろで元スーパーモデルを写したりするんですけど、すごくおもしろいですよ。「ヒア、ヒア」(あえてカタカナにしています)と呼びかけたり。一番うけたのは「アイム・ヴォーグ」でしたね。最初はヴォーグ(ニッポンではありません)だからこっちを向けよみたいな感じで、うーんと思ったけど、そのうちにどう見ても日本人まで「ウィーアーヴォーグ」とか言い初めて。笑っちゃいました。

そういえば、何年か前には冨永愛ちゃんに、毎回どこの会場でも「元気ハツラツ?」といっていたカメラマンさんもいましたよ。さすがの愛ちゃんも、笑うしかないって感じで、うけていました。

でも、なんだかんだいっても、さすがに詳しいんです。小物を見ただけで、パリにしか売っていないとか、あのバッグは去年も撮ったとか、どこのブランドのレア物とかすぐにわかって、しかも追いかけていってたいてい撮ってしまうんです。そうじゃないと仕事にならないとはいえ。あれはコレクションとはまったく別の能力ですね。だって、コレクションでは「私を一枚でも多く撮って」という感じでポーズを取るモデルが、足早にいやそうな顔で通り過ぎたり、2、3枚で「もういいでしょ」って感じで行ってしまうのをとにかくちゃんと撮影しているんですから。


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