アリスは恋愛も海外旅行も習い事をして自分磨きもしてきたOL。
もうすべてやりつくして、やることがなくなってしまった。
毎日仕事をこなし、休日は友人とでかけたり、買い物に行ったりする生活。
たんたんとして、つまらない。
大恋愛してそろそろ結婚したいなーと思っていた。
自分の家庭を持つことにあこがれを抱き始めたのだ。
ある日、買い物にでかけたとき、よい香りがするので、そちらの方向を見たら、香水を売っている店だった。
香りにさそわれるように、店に入った。
店に入ると、さまざまな香水がきれいな瓶に入って売っていて、その香りと見た目で心がうきうきしてきた。
アリスは今まで、香水に興味がなかったが、こんなにうきうきするなら、ひとつ買って行こうと思った。
ひとつすごく気に入った甘酸っぱい香りの香水を買って家路についた。
和真は仕事が忙しくて、まさに心を亡くしている状態だった。
なにかに癒されたいと思っていた。
アリスと和真はお互いひとりで歩いているとき、たまたま街ですれ違った。
和真はアリスのつけている香水にひかれた。
ふわりと漂ってきた香りに心が癒されたのだ。
和真は思い切ってアリスに声をかけた。
「すてきな香りを身にけているんですね」
「そうですか。ありがとうございます」
アリスはびっくりしたのと、うれしかったのと、和真がアリスのタイプの男性だったので、ぽっとしてしまった。
和真はアリスに言った。
「これからお茶でもいきませんか。もしよろしければですけど」
アリスは時間もあったし、お茶くらいならと思ってうなずいた。
ふたりは喫茶店でお茶をして、初めてなのに、ふたりのことをたくさん話した。
和真は始終香ってくるアリスのつけている香水に酔っているようで、アリスもその香りをつけるといつもうきうきした気分になっていたので、よい気分で和真と向き合った。
「ぼく達、話し合いますよね」
「なんか、そうですね」
ふたりはすっかり意気投合して笑いあい、次の店で夕飯をとることにした。
そこでもふたりはずっとお互いのことを話しっぱなしだった。
和真はアリスがいろいろ経験している話しがおもしろく、アリスは和真が仕事に真剣で、がんばっている姿をすごいなと思った。
ふたりはそれから付き合うようになり、しばらくするとしあわせな結婚をした。
香りが奇跡を呼んだ結婚だった。
END
この小説はミユーというペンネームで、小説投稿サイト『アルファポリス』に載せている自身の作品です。