好感は持てたんですけど、なんかハマりませんでした。

全体的なマイナス要素がある映画でしたね。


ホラー映画って『リング』の貞子とか『呪怨』の伽椰子とかラスボスみたいなヤツ作りがちじゃないですか。

この映画の呪いみたいなものの原因はコイツで、コイツをどうにかすれば終わりですよ、みたいなヤツ。

この映画にもそれっぽいのはいましたけど、正体はハッキリしないままでした。

それに、ラストも何も解決しませんでしたね。

この映画は呪いの連鎖みたいなものが描かれていて、ラストに「呪いの大元はこれか」って分かるんですけど、そこで「じゃあ帰ろうか」ってなるんです。

呪いを根本から断つ、って感じもなく、原因だけ分かって解決策は何もないままなんです。

呪いにはハッキリとした正体もその解決策も分からないものがあって「あぁもうこれ、どうしようもないんや」って怖さがありましたね。

それに急に幽霊やモンスターが大きい音とともに出てくるみたいなアトラクション的な驚かせ方をするシーンもなくて、純粋にエピソードの怖さで勝負してるところは好感が持てました。

何度も言いますけど、急にワッと出てきて驚かすホラー映画は嫌いなので。


けど、なんかハマらなかったんですよね。

多分、映画全体の雰囲気かと。

『リング』ってどんなシーンもなんか薄暗いような雰囲気があって不気味じゃないですか。

逆に『来る』ってホラーの割にカラフルでポップな雰囲気でそのギャップが個人的にはよかったりしました。

この映画はそこが中途半端だった気がします。

映像関係には詳しくないからよく分かりませんけど、使うフィルムとかエフェクトにこだわって画面の明るさとか色合いとかを調節して、その映画全体の雰囲気を出すものだと思ってます。

この映画はそこがあまりなかったのかな。

なんか、テレビでドラマ観てるのと変わらなかった気がします。

僕は映画ってドラマと違うんだってところを見せてほしいんですよ。

台詞の間の取り方とか、カメラワークとか、今語っている映画全体の雰囲気とか。

この映画はそのへんがあまりなくて、映画を観ているという特別感がありませんでした。

そういうところも楽しませて欲しかったですね。


ストーリー的には面白かったですが、これは映画そのものじゃなく原作者の手柄ですからね。

雰囲気作りが足りなかった気がしました。

映画化した特別感みたいなものが感じられませんでしたね。

それに、"住んではいけない部屋" ってサブタイトルも要りませんでしたね。

早い段階で部屋だけの話じゃなくなってますから。

それに、ジャケット写真の登場人物が片耳を塞いでいるポーズは何なんでしょう?

さらに言うと、竹内結子と橋本愛の腕に模様があるのはこの2人は呪われましたよって暗示なんでしょうか?

このへんが解けなかったことは悪いモヤモヤを残しましたね。